1945年(昭和20年)5月25日の東京大空襲で、喜久井町キャンパス内の防空壕で犠牲となった学生と近隣住民ら約300名を慰霊しようと建立された戦災者供養観音像が5月、新宿区の地域文化財(平和分野)に認定されました。
この時の空襲で、早稲田大学は大隈会館(大隈重信邸)や恩賜記念館などが全焼したほか、演劇博物館も半焼するなど、多大な被害を受けました。理工学研究所のあった喜久井町キャンパスの地下には防空壕があり、学生や近隣住民ら多数が避難していましたが、火焔と煙に包まれて300名以上が亡くなりました。
罹災10周年を迎えた1955年(昭和30年)5月、犠牲になった方々の霊を慰め、永遠の平和を祈念する戦災者供養観音像(二紀会・永野隆業氏による制作)が建立されました。さらに1983年(昭和58年)にはこうした悲劇を伝える碑文も理工学研究所によって設置され、毎年5月25日、喜久井町町内会との共催で観音慰霊祭を行っています。
新宿区地域文化財とは
新宿区地域文化財とは、地域で継承されている身近な「もの」や「場所」を次の世代に伝えていく取り組みで、「都市・産業」「文化・芸術」「歴史」「生活」「平和」「自然」の6つの分野で認定されます。今回の指定・認定で区指定の地域文化財は23件となりました。
ご参考:本学に関わる新宿区指定文化財等
- 演劇博物館(指定有形建造物)
- 大隈重信銅像(指定有形彫刻)
- その他には、第三西門近くの富塚跡(新宿区登録史跡)があります。