理工・齋藤潔教授など、50%省エネ実現のデータセンター用空調機器開発

早稲田大学理工学術院・齋藤潔教授は、株式会社NTTファシリティーズとの共同研究で、低外気温時に空調機の心臓部といえる圧縮機の代わりに、より消費エネルギーが小さい冷媒ポンプ使った革新的なデータセンター(サーバなどの装置を設置・運用することに特化した施設)用空調機器を開発し、50%の省エネルギーを実現することに成功しました。

データセンターでの空調は、24時間365日行われているため、冬期等の低温の外気を有効利用することが年間の消費電力量低減のためには重要となっています。共同開発した空調機「FMACS-V hybrid(L)」は、外気を直接室内に取り入れずに低温の外気を利用するフリークーリングサイクルを併用し、圧縮機より消費エネルギーが小さい冷媒ポンプにて冷媒を循環させる熱搬送技術を実現。外気を直接取り入れないために電気基板の腐食等のリスクもなく、大幅な省エネルギーを達成し、これまで困難であったポンプによる空調機の冷媒循環の製品化に成功しました。

この技術は2012年度「日本機械学会賞(技術)」を受賞しました。

受賞内容

受賞名

日本機械学会賞(技術)

受賞対象となった技術名

「50%の省エネルギを実現した革新的な情報通信用空調機器の開発」

受賞者

株式会社NTTファシリティーズ、日立アプライアンス株式会社、早稲田大学

受賞内容

NTTファシリティーズと日立アプライアンスが共同開発した空調機「FMACS-V hybrid(L)」は、圧縮サイクルの改善に加え、外気冷熱を有効利用するフリークーリングサイクルを併用したこれまでにない先進的な技術を取り入れています。フリークーリングサイクルとは、圧縮機の代わりに、圧縮機より消費エネルギが小さい冷媒ポンプにて冷媒を循環させる熱搬送技術です。外気温度が低い冬期等に、圧縮機を停止し、消費電力の小さいポンプで運転することで、大幅な省エネルギを実現します。これまで困難であったポンプによる空調機の冷媒循環を、ポンプの機構や制御を新規開発することで製品化に成功しました。

本装置には、理工学術院・齋藤潔教授が長年にわたって進めてきたエネルギーシステムの汎用的解析手法に関する研究をベースにNTTファシリティーズと共同で実施した提案システムの非定常解析の結果が生かされております。

受賞理由

日本機械学会賞の特徴は、工学的・工業的に高いレベルを達成していることと同時に、産業や社会に対する寄与あるいはその可能性を重んじている点にあります。本技術は、審査の結果、極めて高いレベルに達していると認定されたことで受賞に至りました。(日本機械学会誌(P285、vol.116 No.1134、2013.5)より一部抜粋)

日本機械学会賞について

日本機械学会賞は、日本機会学会創立60 周年(1957 年)記念事業の一つとして「日本の機械工学・工業の発展を奨励する」ことを目的として1958(昭和33)年に設けられ,毎年表彰を行っています。2012 年度は,日本機械学会賞(論文)16 件,同(技術)8 件,同(技術功績)3 件,日本機械学会奨励賞(研究)20 件,同(技術)20 件,日本機械学会教育賞4 件で合計71 件の受賞が決定されました。日本機械学会ホームページより

リンク

齋藤潔研究室

NTTファシリティーズ ニュースリリース

 

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