科学技術に関する研究開発などで顕著な成果を収めた研究者の功績を称える平成25年度科学技術分野の文部科学大臣表彰を、早稲田大学の4名の研究者が受賞しました。科学技術の発展等に寄与する可能性の高い独創的な研究又は開発を行った研究者を表彰する「科学技術賞研究部門」には理工学術院の西出宏之教授、小柳津研一教授、黒田一幸教授ら3名、また、萌芽的な研究や独創的視点に立った研究など高度な研究開発能力を示す顕著な研究業績をあげた40歳未満の若手研究者を対象とする「若手科学者賞」には、高等研究所の森稔幸助教が選ばれました。4月16日に文部科学省にて表彰式が行われました。
科学技術賞 研究部門
業績名:ラジカル高分子の創製と電荷輸送および蓄電素子に関する研究
受賞者名:西出宏之教授(理工学術院)、小柳津研一教授(理工学術院)
業績名:メソ多孔体合成の先駆的研究
受賞者名:黒田一幸教授(理工学術院)
若手科学者賞
業績名:植物の有性生殖を制御する遺伝子の発見と分子機構の研究
受賞者名:森稔幸助教(高等研究所)

右から小柳津研一教授、西出宏之教授、黒田一幸教授、森稔幸助教
受賞コメント
黒田一幸教授
これまでの研究成果が評価されたことを研究室同窓の方々とともに喜びたいと思います。長年の研究蓄積があればこその受賞であり、評価いただいたことを大変有難くうれしく思います。今後も社会に貢献する成果発信を進めるべく、無機合成化学を基盤にした無機材料や無機有機ナノ複合系の研究を展開していきたいと思います。
西出宏之教授・小柳津研一教授
研究室のスタッフや多くの学生の長年に亘る成果の積み重ねが評価されたものです。導電・蓄電に関わるこれまでにない有機物質として、次世代のエネルギー化学につながる突破口が拓いたと手応えを感じています。我々の成果を応用した研究が世界中で進んでおり、波及効果も出てきています。これを追い風に安打を重ねて、早慶戦のビッグイニングのように盛り上げて行きたいと考えています。社会に波及する実践的な科学の追究を通して、研究大学としての早稲田を世界にアピールしていきたいと思います。
森稔幸助教
このたび、平成25年度文部科学大臣表彰・若手科学者賞をいただくこととなり大変嬉しく思います。生命理学系の研究者は、研究人生の諸事情から研究テーマや材料を途中で変更せざるを得ない場合も少なくないのですが、私は学部卒研生時代から始めたテーマを今日まで続けることができて非常に恵まれていたと思います。研究を支えてくださった先生方や家族、そして早稲田大学関係者の皆様には大変お世話になりました。深く感謝いたします。