変化を予見する力の源泉が早稲田の教養教育 「Waseda Vision 150シンポジウム 教養教育を考える」が最終回

 早稲田大学の教養教育のあり方を探るべく本年1月から連続開催されてきた「Waseda Vision 150シンポジウム 教養教育を考える」が、12月13日、最終回にあたる第8回を迎えました。

 本学では、2032年の創立150周年を見据えた中・長期計画「Waseda Vision 150」の核心戦略のひとつに「グローバルリーダー育成のための教育体系の再構築」を掲げています。これを実現するために、これまで推進してきた大学でより深く学ぶために必要な基礎力を身に付ける基盤教育をさらに発展させるとともに、グローバル化社会における大学生の教養力の意味を確認し、その養成を目指すために、「教養教育」にスポットをあてた同シンポジウムを開催し、様々な角度から議論を重ねてきました。

最終回のこの日は、まず、常任理事の橋本周司理工学術院教授が「Waseda Vision 150と教養教育-これまでの議論を振り返る-」と題して講演し、これまでの議論を振り返りつつ、本学における「教養教育」の意味や現在考えられている施策などについて言及。「(早稲田大学の教旨のひとつである)学問の活用とは、単なる研究成果の応用ではなくて社会の革新(イノベーション)にある。革新の道筋は、専門領域についての高度な知識と最先端の研究成果のもたらす社会・生活の不連続的な変化を予見する力によって発見される。この力の源泉が早稲田の教養教育である」と結論づけました。

続いて、神尾達之教育・総合科学学術院教授をファシリテーターに、橋本教授、吉田文教育・総合科学学術院教授によるパネルディスカッションが行われ、「グローバルリーダー育成を目的とした教養教育は、すべての学生を対象とするのか」「教員の”教養力”が重要であるが、30~40代の研究者は論文の数を求められ、教員採用時にその人たちの”教養”を確かめるのは難しいのでは」等々、会場からも含めて多くの質問や意見が出て活発な討論が行われました。

左から、神尾教授、橋本教授、吉田教授

左から、神尾教授、橋本教授、吉田教授

会場からも活発に質問や意見が

会場からも活発に質問や意見が

田中愛治教授

田中愛治教授

最後に、総評に立った教務総括理事の田中愛治政治経学術院教授が「かつて企業は、自分たちが育てるから大学は学生に余計なことを教えなくてもいいと言っていたが、現在のビジネスリーダーは大学教育や学問は必要であると考えている。大学に対しての批判が多くなっているのは、大学への期待の裏返しである。学生を、早稲田の卒業生は物事を掴み取る洞察力を備えている、と言われるようなリーダーに育成していきたい」と述べ、計8回にわたったシンポジウムが終了しました。

過去7回の記録

第1回 1月16日 教養教育をめぐるいくつかの誤解(吉田文)
早稲田大学にとっての教養教育を再考する(神尾達之)
第2回 3月19日 オープン教育センターに期待される役割(嶋村和恵)
基盤教育としての学術的文書作成指導(佐渡島沙織)
早稲田らしい教養教育構想私案(大野高裕)
教養教育をめぐるいくつかの誤解(吉田文)
第3回 5月 7日 グローバルリーダーを育てるWAVOCの教育(秋吉恵)
~インド農村での体験学習科目を事例として~(田中総一郎)
グローバルビジネス企業で勝ち抜くために(曽根公毅)
アメリカの教養教育を早稲田にとりいれるならば(柳田幸男)
第4回 6月25日 外国語教育の役割(室井禎之)
教養教育とスポーツ(土屋純)
第5回 8月 2日 4回のシンポジウムを振り返って(吉田文)
早稲田大学における「教養教育」のコンテンツを構築するための出発点(神尾達之)
第6回 10月1日 知識社会における教養教育と「K-16」構想(合田哲雄)
グローバルリーダー育成につながる教養教育-中等教育の視点から(山西廣司)
第7回 10月29日 早稲田大学における教養教育の一つの考え方(田中愛治)

リンク

Waseda Vision 150

以上

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WASEDA University

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