医療手技の評価・確認と様々な症例の再現が可能 高西研など、ロボティック気道管理シミュレータを実用化

 早稲田大学理工学術院の高西淳夫研究室と㈱京都科学(京都市伏見区、片山英伸社長)は共同で、開口障害や小顎症、頸部硬直などの様々な症例を再現でき、また救急救命医療などで一刻を争う場合もある気管挿管が適切に行われたかを客観的に評価・確認できる「気道管理シミュレータ」を開発し、実用化に成功しました。医療手技を計量的に評価・確認できるシミュレータは世界でも高西研と京都科学のみが開発しており、医療手技訓練の質を大きく向上させる可能性を秘めています。

 

記者発表ではロボティック気道管理シミュレータを実演し、参加した記者にも体験してもらいました。ロボット技術の応用によって可能になった、顎関節症等により口が大きく開けられない「開口障害」や上顎に対して下顎が極端に小さい「小顎症」、肥満等によって頸部の可動範囲が制限されている「頸部硬直」などの挿管困難症例を再現。下顎と頸部に内蔵した3個のアクチュエータを駆動させて開閉口、下顎の前後、頸部屈曲を行い、力センサとの連動により顎関節と頸部の硬さを変化させる機能を披露しました。

技術が必要とされる気管挿管

技術が必要とされる気管挿管

各種センサにより点数評価・確認される

各種センサにより点数評価・確認される

さらに、チューブが誤って食道へ挿管されたり、喉頭鏡による切歯の損傷等の合併症が発生する危険性や、慎重かつ短時間で速やかに行われなければならないと救急救命の場面などでは命に関わる危険性もある「気管挿管」の評価・確認機能も実演。訓練者となった記者がシミュレータの頸部を後屈させて開口し、口腔内に喉頭鏡を入れ、さらに舌を持ち上げて声門から気管に向けてチューブを挿入すると、上顎切歯・舌・顎関節・頸部・気管・食道に内蔵されたセンサが各部位に与える力を計測し、体験した記者の手技を点数表示しました。

高西淳夫教授は「人形で訓練するのとは違い、ロボティックシミュレータは人間のように反応し、それを数値で客観的に示すことができる。このシミュレータが普及することにより、医療の質の確保、技術の標準化に繋がる可能性がある」と話しました。

気管挿管手技

気管挿管手技

手技の評価・確認

手技の評価・確認

シミュレータでの再現

気道管理シミュレータの仕様

気道管理シミュレータの仕様

プロジェクトメンバー

  • 統括:片山英伸 株式会社京都科学・代表取締役社長
  • 統括:高西淳夫 早稲田大学理工学術院・教授
  • 副統括:高山俊之 株式会社京都科学・取締役部長
  • 副統括:石井裕之 早稲田大学理工学研究所・研究院講師
  • メンバー:ノヨハン 早稲田大学理工学術院・研究助手 / 石森謙太 株式会社京都科学 / 松岡紀之 株式会社京都科学 / 中江悠介 株式会社京都科学 / 庄司 聡 株式会社京都科学 / 早稲田大学学生・大学院生・OB:小椋優 / Solis Jorge / 瀬川正尚 / 佐藤圭 / 下村彰宏 / 海老原一樹 / 長弘考司 / 菊田剛 / 王春宝 / 徳本光宏 / 奥山勲 / 松岡優典 / 千原照永

問合せ先

早稲田大学理工学術院 高西淳夫研究室

〒162-8480 東京都若松町 2-2 早稲田大学先端生命医科学センター

Tel:03-5369-7329, Fax: 03-5269-9061

E-mail: [email protected]

Web: http://www.takanishi.mech.waseda.ac.jp

株式会社京都科学

〒612-8388 京都市伏見区北寝小屋町 15

Tel: 075-605-2510, Fax: 075-605-2519

E-mail: [email protected]

Web: http://www.kyotokagaku.com/

以 上

Page Top
WASEDA University

早稲田大学オフィシャルサイト(https://www.waseda.jp/top/)は、以下のWebブラウザでご覧いただくことを推奨いたします。

推奨環境以外でのご利用や、推奨環境であっても設定によっては、ご利用できない場合や正しく表示されない場合がございます。より快適にご利用いただくため、お使いのブラウザを最新版に更新してご覧ください。

このままご覧いただく方は、「このまま進む」ボタンをクリックし、次ページに進んでください。

このまま進む

対応ブラウザについて

閉じる