早稲田大学では5月28日、文部科学省と共催で「大学教育改革地域フォーラム2012 in 早稲田大学」を井深大記念ホールにて開催しました。テーマは、「予測困難な世界を生き抜く人材の育成に、大学はどう取り組むべきか」。300名を超える来場者を得て、白熱した議論が展開されました。
同フォーラムは、中央教育審議会大学分科会大学教育部会の審議まとめ「予測困難な時代において生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ」の発表を受け、大学教育の質的転換を図るために必要な課題や具体的な取組について、広く教職員や学生など様々な立場から話し合うために開かれたものです。当日は、特別パネリストとして高井美穂氏(文部科学副大臣)をお招きし、バネリストとして義本博司氏(文部科学省高等教育局高等教育企画課長)、白井克彦氏(放送大学学園理事長、本学学事顧問)、橋本周司氏(本学常任理事、理工学術院教授)、吉田文氏(本学教育・総合科学学術院教授)、モデレーターとして田中愛治氏(本学理事、政治経済学術院教授)が登壇しました。
鎌田薫総長の開会挨拶、文部科学省制作の紹介用映像『今、問われる「大学での学び」』の上映(写真左)に続き、高井氏による学修時間に関する国のこれまでの取組みや、法令・制度の必要性、今後の課題等に関する発表を始め、各パネリストからは、大学教育における「何を学ぶべきか」という問いへの見解、主体的な学修を実現可能とする仕組みの必要性、予測困難な時代を生き抜く人材像、といった多様な観点からの提言がありました。
引き続き行われたディスカッションでは、学びの主体である学生たちから、変化する興味・関心に合わせて自主的に学び深めていく制度を要望する声や、学生に手段として大学を使う意識がなく大学入学がゴール(目的)になってしまっている、といった問題点の指摘がなされました(写真右)。最後はモデレーターのまとめにより約3時間にわたるフォーラムは終了。大学教育が抱える課題に対して幅広い議論が展開され、参加者各自が大学での学びについて考え直す意義ある機会となりました。
以 上