早稲田大学では5月18日、「石橋湛山記念 早稲田ジャーナリズム大賞」パネルディスカッション「危機とジャーナリズム-『危機』の時代にどう向き合うのか」を、国際会議場井深大記念ホールにて開催し、多数の来場者が訪れて熱心に耳を傾けました。
このパネルディスカッションは、同賞の2012年度(第12回)募集開始(5月14日〜)にあたり、現在のジャーナリズムの状況に対する問題提起を図るため、同賞の現・元選考委員であるノンフィクション作家の佐野眞一氏、ジャーナリストの後藤謙次氏と江川紹子氏をパネリストとして招き、本学広報室長の深川由起子政治経済学術院教授をモデレーターとして行われたものです。

上段左から後藤氏、江川氏、佐野氏、深川教授
鎌田薫総長の開会挨拶に続き、まず後藤氏が「メディアは事実を伝えているか-東日本大震災報道をめぐって」として、共同通信編集局長等の経験から現在のメディアが抱える課題と可能性について、つづいて江川氏が「二元論の罠と『叩きのフェーズ』」として、ジャーナリズムの陥りがちな分かりやすいレッテル貼りが招く危険性について、最後に佐野氏が「原発事故=安全神話の崩壊、司法の不祥事の連続=無謬神話の崩壊」として、権力に対峙し社会の窓を開けるというジャーナリスト本来の役割の重要性について、それぞれ講演しました。
引き続き行われたディスカッションでは、ジャーナリズムにおける組織や個人のあり方から、これからのジャーナリストに求められる資質まで幅広く議論が展開され、会場からの質疑のあと、清水敏常任理事の閉会挨拶で、2時間にわたる白熱したパネルディスカッションを締めくくりました。
以 上