精度保証付き数値計算の研究が高く評価されました
2012年春の褒章受章者が発表され、本学の大石進一理工学術院教授が、紫綬褒章を受章されました。
春秋褒章は、今回大石教授が受章された学術、芸術、技術開発等の功労者を対象と する紫綬褒章の他に、紅綬褒章・緑綬褒章・黄綬褒章・藍綬褒章があります。平成24年春の紫綬褒章は25名の方が受章されています。
大石教授のコメント
精度保証付き数値計算の研究で受章することになりました。計算機の数値計算結果が正しいとは限らないというとびっくりされる方も多いと思います。しかし、計算機では約16桁の数で実数を近似していて、四則演算をするたびに四捨五入しているのだというとおわかりになるかもしれません。
例えば理工学では100万次元の連立一次方程式を解くのはよくありますが、そうすると10の18乗回の四則演算が必要となりますから、これだけの回数、四捨五入をした後で、何桁まで正しいかはわからないのです。私は、このような近似計算の誤差も計算でき、情報ロスのない計算ができるような方法を開発し、それを利用して、非常に高速に誤差の上限を正しく計算する方法を開発しました。もちろん多くの共同研究者の方々のお力もお借りしました。また、もともとは非線形微分方程式の解の存在を数値計算を利用して証明することが目標でしたが、今や応用はものすごく広くなってそれだけに限られません。
考えてみると、自分のやりたいことをずっと追求してきたことになります。今回の受章は望外のことで、やりたいことを存分にさせていただいた大学を始めとする周りの方々(恩師や共同研究者を始めとする多くの方々)に厚く御礼申し上げます。
以 上