世界初 完全固体のマイクロpHセンサの実用化に成功

世界初 完全固体のマイクロpHセンサの実用化に成功
理工・逢坂哲彌教授と堀場製作所が連携研究

 

2011/06/15

 電界効果型トランジスタ(FET)pHセンサ

センサ表面に吸着した電荷の影響でドレイン電流が増減する現象(電界効果)を利用したpHセンサ

完全固体pH-FETセンサ
従来のセンサの体積の大半を占めていた比較電極部の体積を大幅に省くことが出来た。

オンチップマイクロpHセンサ

応用展開例

早稲田大学理工学術院逢坂哲彌教授との連携研究で、株式会社堀場製作所(本社:京都市南区、代表取締役会長兼社長:堀場厚)は、pHセンサを完全固体化し、1mm×5mmサイズの微小なpHセンサチップを世界で初めて実用化しました。

pHは溶液中のプロトン濃度を表す単位ですが、いままでのpH計はある程度の大きさを必要としていました。今回は半導体技術を利用して、非常に小さなpHセンサを可能としました。このことは、いままでのpH計の応用範囲をいっきに、バイオ、メディカルの分野へと応用可能にすることができます。すなわち、胃食道逆流症(GERD)、脳外科手術の手術境界域判断、皮膚アレルギーチェック、さらには虫歯の治療など広い応用分野を開拓する端緒を拓いたものです。

逢坂教授は、このプロジェクトをS-COE(科学技術振興調整費 先端科学と健康医療の融合研究拠点の形成)の目玉研究の一つとして数年続けており、最終的には、NEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)ナノテクチャレンジプロジェクトにて㈱堀場製作所との共同開発を行い、ナノテク材料の一つである自己組織化単分子膜を電界効果型トランジスタ(FET)センサに適用することで、比較部用の不感応FETの作製に成功しています。これにより、1mm×5mmのFETチップ上にpHセンサの応答機構を全て集積化させることが可能になりました。また、pHセンサ部を工夫して医療用癌モニタなどへと展開することも可能です。

このたびの完全固体化マイクロpHセンサの実現により、pHセンサを針状構造物の先端に配置したり、センサをカプセル形状に実装したりすることが可能となります。㈱堀場製作所では、上述のNEDOプロジェクトにおいて、これらのセンサの試作も行い、既存のpHメーターと接続できる針状pHセンサや、信号増幅部やワイヤレス送信機構を集積化させたカプセルタイプpHセンサの試作を完了しています。これらのセンサの応用展開として、前者では、実験動物への直接挿入による疾病病巣の検出、また、後者では、消化器官などの体内埋め込み・留置による疾病発症のモニタリングなど、医学基礎研究への展開が期待されます。

 

 

以上

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