2010年度大学院入学式 二氏に名誉博士学位を贈呈しました

4月2日に挙行された2010年度大学院入学式において、李基秀氏、寺島実郎氏に名誉博士学位を贈呈しました。

【名誉博士学位:李基秀氏】

高麗大学校総長である李基秀氏は、1945年、大韓民国慶尚南道(キョンサンナムド)河東郡(ハドングン)生まれ。1969年に高麗大学校法科大学を卒業し、1972年に国立ソウル大学校法学修士、1977年に高麗大学校大学院博士課程を経てドイツに留学し、1983年、テュービンゲン大学において法学博士の学位を取得した。1984年に高麗大学校の商法講座の教授に就任して以来、同氏の活躍はまことに目覚ましいものがある。

学会活動では、韓国ドイツ法学会会長(2002〜2005)、韓国法学教授会会長(2006〜2008)、韓国ドイツ学会会長(2006〜2008)、韓国著作権法学会会長(2007〜2009)など数々の学会会長を歴任。このほか学内・学外の活動としては、高麗大学校法務大学院院長(1997〜1998)、高麗大学校法科大学長(全国法科大学長協議会会長、1998〜1998)、韓国ハーバード大学同窓会副会長(2005〜現在)、韓国大学教育協議会副会長(2008〜現在)、ADeKo(韓国ドイツ同窓会)理事長(2008〜現在)、電子取引紛争調整委員会委員長(2008〜現在)、韓国私立大学総長協議会会長(2009〜現在)、憲法裁判所諮問委員会委員(2009〜現在)、韓国大学教育協議会入学選考委員会委員長(2009〜現在)などの要職を歴任している。

数々の要職の責務を果たす一方で、商法学者としても『会社法』(1990年)など約20冊の単著・共著があり、2001年には韓国法律文化賞(大韓弁護士協会)を受けている。また、テュービンゲン大学法学部、マインツ大学法学部、ハーバード大学ロースクール、ミュンヘン・マックス・プランク研究所、マールブルグ大学法学部、ウィスコンシン大学マジソン校ロースクールといったドイツ・米国の多数の大学で客員教授を務めるなど、国際的な活躍による評価も高い、韓国を代表する商法学者である。

2005年には、高麗大学校と早稲田大学の学術交流協定により、1年間、交換研究員として本学に滞在され、多くの友人を作り、帰国後の今日に至るまで韓日法学会の熱心な会員である。このような交流を経て、2008年に高麗大学校総長に就任された。高麗大学校は、早稲田大学の単なる協定校であるだけでなく、長年の友情に裏打ちされた最重要なパートナーである。既にあらゆる分野で交流・協力が進められているが、早稲田大学の友人である同氏の総長就任により、両校のパートナーシップはますます強固なものになってきている。同氏がこれまで両校の交流のために尽くされた功績はまことに顕著なものである。

【名誉博士学位:寺島実郎氏】

1947年、北海道生まれ。1973年に早稲田大学大学院政治学研究科修士課程を修了し、三井物産株式会社に入社。1991年から1997年まで、ワシントン事務所長を務めた。1997年に業務部総合情報室長、1999年に三井物産戦略研究所長に就任し、2005年からは同研究所社長を兼務した。その一方で、2001年から2006年まで財団法人日本総合研究所理事長、2006年から現在までは同研究所会長を務めている。2009年4月、多摩大学の学長に就任すると同時に、三井物産戦略研究所では会長となった。

卓越した判断力・提言力を持ち、政府の政策決定においても多方面で発揮されている。文部科学省・中央教育審議会委員、環境省・日本カーボン・オフセット・フォーラムのアドバイザー、内閣官房・宇宙開発戦略本部宇宙開発戦略専門調査会座長や地球温暖化問題に関する懇談会委員、国土交通省・建設業等の国際展開支援フォーラム座長など、数多くの要職を歴任している。

2009年の鳩山内閣誕生後は、民間から首相を支えるブレーンの一人として、外交・安全保障面のアドバイスを求められる立場となっている。加えて、社団法人日本プロジェクト産業協議会(JAPIC)の日本創生委員会委員長など、民間団体においての活躍も顕著である。

1994年に第15回石橋湛山賞を受賞した『新経済主義宣言』をはじめ、『1900年への旅―あるいは道に迷わば年輪を見よ』『「正義の経済学」ふたたび―日本再生の基軸』『われら戦後世代の「坂の上の雲」-ある団塊人の思考の軌跡』『二十世紀から何を学ぶか―1900年への旅(上)(下)』『脳力のレッスンⅡ-脱9.11への視座』など数多くの著書を出し、各界から高い評価を得ている。

国内外における豊富な人脈、幅広い知識に裏付けられた経済、外交、安全保障などへの提言に定評のある寺島氏は、産業界に軸足を置きながら、官界、学界、民間と深い関係を保ち、一つの業界に限定されない、まさに“マージナルマン(境界人)”として活躍し、各界を牽引してきた。企業、社会、教育といったさまざまな分野を複合的な視点で見通し、それぞれの分野に等しく貢献してきた功績は大きい。

早稲田大学においても、大学院アジア太平洋研究科・センターならびに商学学術院総合研究所において、1998年から2009年まで客員教授を務め、後進の指導に当たるとともに、本学の教育研究の発展に大きく寄与した。

以 上

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