トークイベント「柳家喬太郎×『昭和元禄落語心中』」が開催されました

トークイベント「柳家喬太郎×『昭和元禄落語心中』」が、10月15日に大隈記念講堂大講堂にて開催されました。このイベントは、現在早稲田大学演劇博物館で開催中の秋季企画展「落語とメディア」の関連イベントとして催されました。
このトークイベントには、アニメ『昭和元禄落語心中』が好きな方、落語は好きだがアニメは観たことがない方など、色々なきっかけで来場された方がいました。
冒頭では、このイベント用に特別に編集してもらったテレビアニメのダイジェスト版を上映し、ご覧いただいたあとで、トークイベントが始まりました。
登壇者は、アニメのキャストから主人公与太郎役の関智一氏、音響監督の辻谷耕史氏、司会はニッポン放送の吉田尚記アナウンサーでした。

関氏からは、ご自身のこれまでの落語との関わりや、声優と落語家の類似点と相違点、声優が落語を演じることなどについて、アニメ制作現場の裏話を交えつつお話しいただきました。
辻谷氏からは、アニメ『昭和元禄落語心中』のオーディションは普通とは異なり、自分で3分間にまとめた落語をテープに録音して送るという、落語を演じる力量が問われる方法によって行われたこと、山寺宏一さんや石田彰さんといった錚々たるメンバーが、そのオーディションを潜り抜けて配役が決定したこと、落語を知らない人がアニメを観ても飽きないように、BGMにジャズを用いて更に盛りたてる効果を狙ったというエピソード等々、大変興味深いお話をしていただき、会場は大いに盛り上がりました。

途中からは、落語家の柳家喬太郎師匠にも加わっていただき、落語とメディアの関係性や現在の落語界についてお話しいただきました。
今回のイベントで、アニメ『昭和元禄落語心中』を初めてご覧になられたという喬太郎師匠からは、「年配の相当落語が好きな落語ファンが観ても、相当面白いアニメになっていることがとてもよくわかり、落語を扱うメディアがクロスしていくことで(落語の)世界が広がります。」との発言があり、落語のメディアミックスが実現されていることを、演者自身が感じられていて、とても印象的でした。

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写真:(C)Arata Mino 左から、吉田尚紀アナウンサー、関智一氏、辻谷耕史氏、柳家喬太郎師匠

後半は、喬太郎師匠に落語をご披露いただきました。『昭和元禄落語心中』にちなんだ一席ということで、アニメの主人公が落語家を目指すきっかけとなる演目「死神」をご口演いただきました。
その高座はまさに圧巻で、落語本編の導入となるマクラでは、ご自身の落研時代のエピソードで会場の爆笑を取っていましたが、本題に入るや会場内の空気が一変しました。
演目の中に登場する呪文には「アジャラカモクレン ボブ・ディラン、マジすげぇ」とノーベル文学賞の受賞が決まったばかりのボブ・ディランの名前を折り込み、また、蝋燭のシーンでは「あれは柳家喜多八という噺家の蝋燭だ」と今年の5月に亡くなられた柳家喜多八師匠についても言及されるなど、笑いと恐怖が入り混じった「死神」に、会場全体が酔いしれました。

落語好きはアニメを、アニメ好きは落語を知る絶好の機会となりました。

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写真:(C)Arata Mino

出演者

柳家喬太郎(落語家)

1963年、東京生まれ。1989年10月、柳家さん喬に入門。前座名「さん坊」。1993年5月に二ツ目昇進、「喬太郎」と改名する。2000年3月、真打昇進。2005年から2007年の3年連続で国立演芸場花形演芸会大賞を受賞するなど、受賞歴多数。古典から新作まで縦横無尽の活躍をみせている。

関智一(声優・俳優)

アトミックモンキー所属。シリアスからギャグまで幅広い演技で高い評価を受ける。主な出演作にTV アニメ『ドラえもん』(骨川スネ夫)、『PSYCHO-PASS サイコパス』(狡噛慎也)ほか多数。

辻谷耕史(音響監督・声優・俳優)

マックミック所属。主な出演作は『犬夜叉』(弥勒)、映画『機動戦士ガンダムF91』(シーブック・アノー)ほか。音響監督として『閃乱カグラ』『Fate/stay night』『ヤミと帽子と本の旅人』ほか多数。

司会

吉田尚記(ニッポン放送アナウンサー)

1975年、東京生まれ。「マンガ大賞」発起人。『ミュ〜コミ+プラス』(月〜木曜日24時より放送中)のパーソナリティとして「第49回ギャラクシー賞DJパーソナリティ賞」受賞。著書『なぜ、この人と話をすると楽になるのか』(太田出版)が累計13万部(電子書籍を含む)を超えるベストセラーに。

『昭和元禄落語心中』とは

『昭和元禄落語心中』は、雲田はるこ氏によるマンガ。
講談社の『ITAN』に2010年零号から2016年32号まで連載され、2013年度には第17回文 化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を、2014年度には第38回講談社漫画賞を一般部門で受賞。
2016年にはテレビアニメ化され、第1期 「与太郎放浪篇」と「八雲と助六篇」が放送された(第2期「助六再び篇」は2017年1月より放送予定)。

 

 

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