9月21日に挙行された2010年度9月入学式において、魏應州(ギオウシュウ)頂新国際集団康師傅控股有限公司総裁に名誉博士学位を贈呈しました。
【名誉博士学位:魏應州氏】
魏應州氏は1953年台湾彰化県で生まれた。氏は少年時代から社会に出、そのなかで、卓抜した経営感覚が育まれていった。その後、中国市場の将来性をいち早く予見し、3人の兄弟とともに中国の食品業界に身を投じた。
氏は中国において即席麺に対する需要が高まることを見越して、1992年天津経済技術開発区に天津頂益国際食品有限公司を設立した。創業当初より、消費者のための品質管理と価格設定に意を用い、〈誠信、務実、創新〉という経営哲学に基づき、「康師傅」という即席麺ブランドを立ち上げ、現在、年間の販売量が130億袋を超える世界最大の即席麺メーカーとなった。
他方、教育に対して一貫して高い関心を抱いてきた氏は、本学の建学精神・教育理念に非常に共鳴し、かくて2007年には本学との包括協定締結がきっかけとなり、共同人材育成プログラムが発足することとなった。創立125周年に際しては、学生によりよい勉学環境を整備したいとの氏の願いから、本学において「頂新国際グループ記念学生読書室」が開設された。また、氏は家庭の事情により進学を断念せざるを得なかったが、そうした体験から、経済的に恵まれない若い世代の育成を大変重視しており、その氏の思いにより、氏からの多額のご寄付をもとに、2009年には本学最大規模の奨学金となる「頂新国際集団康師傳控股有限公司奨学資金制度」が創設されるに至った。このように、次の125年を目指して新たな歩みを始めた本学に対する多大なご支援を始め、氏はさまざまな面で本学の発展に大きく寄与している。
高等教育分野での国際化が進展する中、「アジアにおける知の共創」を目指す本学にとって域内におけるあらゆる交流を一層促進・拡充することはきわめて重要な意義を有する。東アジアでの相互理解の幅を広げ、発展を支える氏の功績に敬意を表すと共に、今後の本学における更なる教育研究交流の発展を期するところである。