早稲田が生んだ文学の系譜 「早稲田文学」季刊化へ

文学学術院および早稲田文学会が発行する文芸誌「早稲田文学」の、8月7日発行の2014年秋号より9年ぶりの季刊化が決まりました。

早稲田文学 2014年秋号
早稲田文学 2014年秋号

「早稲田文学」は、東京専門学校文学科(現早稲田大学文学部)の機関誌として1891(明治24)年に、文学部創設者である坪内逍遥によって創刊された日本で最も伝統ある文芸雑誌です。

坪内逍遥による第一次「早稲田文学」は、文学部の授業内容を掲載する講義録としてスタートし、休刊を挟んで1905年には島村抱月の牽引により第二次「早稲田文学」が始まって以降、1970年代には現代詩、1980年代には海外文学、2000年代からはデジタル化・フリーペーパー発行など、時代の変遷と共に内容や形式を変えながら刊行されてきました。

「早稲田文学」から巣立った書き手には1997年に『毒―風聞・田中正造』で毎日出版文化賞を受賞した立松和平氏、2007年に『わたくし率 イン歯ー、または世界』で第137回芥川賞候補となった川上未映子氏、『スタッキング可能』が新人として異例のヒットを記録した松田青子氏、2014年に『abさんご』にて第148回芥川賞を受賞した黒田夏子氏ほかがいらっしゃいます。

芸術性の高い純文学の若手に与えられる芥川賞は、第一回(1935年)の石川達三を皮切りに、八木義徳や三浦哲郎、三田誠広を経て、辺見庸、堀江敏幸から綿矢りさ、黒田夏子まで30人。幅広く読まれる良質な中堅の大衆小説に与えられる直木賞は、第二回の鷲尾雨工や第六回の井伏鱒二に始まり、立原正秋、五木寛之、野坂昭如、阿刀田高、青島幸男から、重松清、角田光代、三浦しをん、朝井リョウまで多士済々の35人(WASEDA ONLINE 早稲田と文学と「早稲田文学」より)。

早稲田の文学を育む風土は、文学賞・芥川賞と直木賞の受賞者だけを数えても抜きん出ており、今後も在学生や校友の活躍が期待されます。

市川真人准教授

第10次「早稲田文学」編集委員である市川真人准教授(文学学術院)のコメント

創刊125年目を目前に、若い読者にも年配の方にも、在学生にも校友にも校外の方々にもそれぞれの切り口で楽しんでいただける、21世紀の日本文学を牽引してゆく幅広い誌面を、学内外の編集委員やスタッフたちと作ってゆくべくみな意気込んでいます。読者の方々にご加入いただけて、刊行物が届き講演等にもご招待する「早稲田文学倶楽部」も始まりました。どうぞ皆様も、新たな文学シーンも目撃者になってください。よろしくお願いします。

リンク

CAMPUSNOW 2013錦秋号「早稲田の文学」

WASEDA ONLINE 早稲田と文学と「早稲田文学」

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