松本幸四郎氏の芸術功労者顕彰を記念して本学演劇博物館で開催中の「松本幸四郎展-This is my quest.」(~8月3日)に関連した演劇記念講座が、児玉竜一演劇博物館副館長(文学学術院教授)聞き手のもと、7月18日早稲田大学大隈記念講堂にて開催されました。

開始当初はブロードウェイでの『ラ・マンチャの男』の講演の際は疲れて翌日夕方まで寝てしまうという生活が続いたこと、ミュージカルでナンバーを歌い終えた後には観客から拍手を受ける際のコツがあるといった幸四郎氏ご自身のエピソードを披露し、観客を沸かせていました。


最後に、これまでの歌舞伎・ミュージカル・歌手活動など自身の幅広い活動に触れ、「若い人に伝えていくという言葉がありますが、私は役者ですので自分でやって見せていくことが大切だと思っています。父からは歌舞伎の伝承も結局は自分の覚悟だということを教えられました。これまで様々なことに挑戦してきましたが、だんだん焦点が定まってきました。ラ・マンチャの男を演じているということは、父と菊田一夫先生へのレクイエムであり、見果てぬ夢は父が思ったであろう夢を歌っていることに他ならないのです」と締めくくりました。
終盤には『雲霧仁左衛門』、『アマデウス』、『ラ・マンチャの男』のセリフ朗読が行われ、岡室美奈子演劇博物館館長(文学学術院教授)からの花束贈呈の後、幸四郎氏がアカペラで『The Impossible Dream』(ミュージカル ラ・マンチャの男より)を披露すると、会場内には鳴りやまない拍手が響き渡りました。