理工学術院・鳥居祥二教授が国際宇宙ステーションのミッションリーダーに
2013年度打ち上げ目標 JAXA「きぼう」で調査・探索
2010/04/15
早稲田大学理工学術院・鳥居祥二教授のミッションが、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が2013年度打ち上げ目標とした国際宇宙ステーションの「きぼう」日本実験棟の、船外実験プラットフォームを利用した第2期の船外実験に選定されました。
鳥居教授のミッションは、「きぼう」日本実験棟船外実験プラットフォーム第2期利用に向けた候補ミッション募集(平成18年11月21日~平成19年2月16日)に応募のあった提案の中から「国際宇宙ステーション・きぼう利用推進委員会」、またその分科会として設置した「曝露部分科会」によって審議・評価を受けて選定されたものとなります。具体的には、高エネルギー電子、ガンマ線観測装置(CALET: CALorimetric Electron Telescope)を「きぼう」の船外実験プラットフォームの1ポートに設置し、宇宙線中の高エネルギー電子・ガンマ線の観測による宇宙電子の起源、暗黒物質の探索を行います。また陽子、原子核成分の観測による宇宙線の加速・伝播機構の解明、加えて、ガンマ線バーストや太陽活動による宇宙線強度の変動をモニターします。
打ち上げは、日本が開発した宇宙ステーション補給機HTV(H-II Transfer Vehicle)で国際宇宙ステーションに運ばれ、宇宙飛行士の操作するロボットアームによって船外実験プラットフォームの1ポートに設置されます。
なお、早稲田大学とJAXAの間では機構および大学の研究開発、教育・人材育成などに係る幅広い分野において、連携・協力を実施しています。
鳥居 祥二教授
所属:大学院先進理工学研究科 物理学及応用物理学専攻 理工学研究所 研究重点教員
研究テーマ:高エネルギー宇宙物理学
研究概要:
宇宙における非熱的過程の代表的な現象である宇宙線の観測により、粒子加速、暗黒物質、ガンマ線の起源などの実験的解明を行っている。気球による電子・ガンマ線の観測とその観測装置開発の経験を生かして、「きぼう」に搭載するCALETプロジェクトを責任者として推進している。また中国との共同研究により、宇宙線観測プロジェクトをたちあげ、中国の回収衛星を用いた小規模実験を実施した。さらに欧州共同素粒子原子核機構(CERN)で稼働を開始した陽子衝突型加速器LHC(Large Hadron Collider)を用いて、世界最高エネルギー領域での、陽子相互作用における最前方粒子測定の実験(LHCf)に参加している。
研究室ホームページ:http://www.crlab.rise.waseda.ac.jp/
JAXAホームページ:http://kibo.jaxa.jp/experiment/field/efuse/calet20100414.html
以 上