七代目・八代目市川團十郎の未公開書簡を展示 10月2日(火)から「八代目團十郎展」開催

早稲田大学坪内博士記念演劇博物館は、近世後期の江戸歌舞伎を代表する役者で「歌舞伎十八番」を制定した七代目市川團十郎(1791-1859)が、天保の改革による江戸追放から解かれた喜びなどを書き記した書簡や、若くして自殺した息子・八代目團十郎(1823-1854)の書簡など未公開の資料11点を静岡県富士市の伊達家からお借りし、10月2日(火)から始まる「八代目 市川團十郎展」で一般公開することとなりましたので、お知らせいたします。

伊達家の当時の当主・伊達本益は眼科の名医であり、七代目が目の治療で滞在したことから交流が始まり、経済的にもさまざまな形で市川家を支援していました。書簡は昨年9月に行われた「七代目團十郎展」を見学に訪れた現在の子孫の方から「演劇研究の役に立ててほしい」と、お借りしたものです。江戸追放を解かれ「このたびは冥加至極の仕合せ」などと書かれた七代目の書簡や、「先頃、御褒美頂戴候よろこひ」などと幕府から表彰された喜びを書いた八代目の書簡だけでなく、八代目の死を伝えて悲しむ七代目の愛妾・さとの書簡なども残されています。また、七代目が遠慮なく伊達家に羽織・着物、好物の鯛などを要求し、贈ってくれたことに対して息子の八代目がお礼を述べる書簡など、八代目が気配りする様子、親子関係の一端もうかがえます。

八代目 市川團十郎展

 八代目が伊達家に対し平素の無沙汰を詫び、扇子を誂えお送りするので、皆さまによろしく伝えてほしい、などといった内容が書かれた書簡

八代目が伊達家に対し平素の無沙汰を詫び、扇子を誂えお送りするので、皆さまによろしく伝えてほしい、などといった内容が書かれた書簡

 八代目市川團十郎は江戸から追放された七代目の跡を受け継ぎ、市川家を背負って「歌舞伎十八番」や父の当たり役だけでなく、独自の境地も開きました。新しい役どころを得て、役者として花開き圧倒的な人気を誇っていた最中に、32歳の若さで自殺を遂げ、多くの人々に惜しまれつつ人生の幕を引いた花の役者です。門外不出の市川家の所蔵資料や伊達家に伝わる書簡を展示して、その生涯、魅力に迫っていきます。

企画展「八代目 市川團十郎展」

開催期間:2012年10月2日(火)~12月2日(日)

会場:演劇博物館六世中村歌右衛門記念特別展示室

演劇講座「花の役者 八代目市川團十郎の魅力」

日時:2012年10月30日(火) 14:45~16:15 (開場14:00)

講師:12代目市川團十郎丈 (歌舞伎俳優・早稲田大学特命教授)

会場:大隈記念講堂大講堂

※企画展・演劇講座ともに入場無料

リンク

演劇博物館

以上

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