篠田 正浩 氏のご逝去をお悔やみ申し上げます
早稲田大学芸術功労者、篠田正浩氏が2025年3月25日に逝去されました。篠田正浩氏は、1953年に本学第一文学部を卒業されたのち、松竹大船撮影所に入社されました。1967年に 「表現社」を設立、1969年には日本的様式美と前衛的実験とを結びつけた『心中天網島』により、毎日新聞の映画コンクール大賞ならびにキネマ旬報ベストテンの第一位を獲得、若き日の代表作となりました。
その後、『瀬戸内少年野球団』をはじめとした数々の名作を世に送り出し、ベルリン映画祭銀熊賞などを受賞、個人としてもブルーリボン監督賞、日本アカデミー賞最優秀監督賞など、放送界で受賞し得るほとんどの賞を受賞されました。
篠田氏は長年におよぶ優れた創作活動のみならず、著作、テレビ、ラジオ、講演活動等に活躍され、その話題は映画から、芸術、音楽、言語、歴史、文化など多彩であり、氏の博識と話術は多くの人々を魅了しました。
本学は氏の顕著な功績をたたえ、2004年4月に早稲田大学芸術功労者として表彰いたしました。
謹んでお悔やみ申し上げます。

2004年4月1日 本学入学式にて芸術功労者として表彰された際、白井克彦総長(当時)と共に
早稲田大学芸術功労者について
本大学は、創立百周年を記念して、1984年12月14日に芸術功労者表彰規程を制定し、芸術の振興に顕著な功績のあった校友を、芸術功労者として表彰します。芸術功労者は、永年にわたり芸術の分野で多大な貢献をした70歳以上の者であって、文化功労者、日本芸術院賞授賞者、重要無形文化財に指定された者およびこれに準ずる者のいずれかに該当する者の中から選定するものです。芸術功労者には、正賞として表彰状および副賞として記念品の金メダルが贈呈されます。