2022年度卒業設計 萩原賞
水と都市の関係。東京の下水道-時間変化図に、ある抽象性を感じたことから始まった都市と水との関係への再考。
例えば、ニューヨークであれば、グリッド形成期における地形価値の反転。東京であれば、江戸の外堀形成による円環構造の出現と水脈によるY字構造の併存。テヘランであれば、重合する地下水網と移入されるグリッドへの変換。ローマであれば、隣接する火山による地層構造に端を発する切断の円環構造。ひとえに水と都市との関係性といえど、水の切削と堆積の作用は都市に様々な表情を与える作用要因である。
都市が加速度的に発展するに伴って不可避的に援用するグリッド構造に対して、水の構造的観点からのコラージュを作ることで、水が生み出す形態についてのユーモアのある実像を理性的なグリッドと対比的に、そして四次元的に示せればと考えた。