2019年度卒業設計
代々木八幡の土地に、領域をテーマとし集合住宅と店舗、道の設計を行った。敷地のリサーチを通して得た、大きなのものから小さなものまで領域の定義に参加している、という発見を建築の設計に転用し、新しい領域の”縁”のあり方を探る試みである。
敷地周辺の土地は神社・寺・住宅と異なる領域を持ちながら、その境界は揺らぎ、周辺一帯をひとつの地域=”region”と感じられる場所である。しかしながら、敷地には大型マンションが建ち、領域同士の関係を断絶する存在になっている。そこで地域の境界に影響を及ぼしているエレメントを採取・分析し、この土地の魅力を引き継いだ設計を目指した。
全体計画は、建築を作った余白としての外構ではなく、道を通した結果としての建築のボリュームのあり方を考えた。部分計画では、バラバラなものを繋ぎ止める方法として正方形を用いながら、道にエレメントを引用し、内部まで影響を及ぼすような外部のあり方を模索した。表札などの小さなものも、大きな存在になりうることを確認した。