2018年度卒業設計 赤坂賞受賞作品
敷地は東京タワーの麓に位置するもみじ谷公園である。2018年9月30日、東京タワーが電波塔としての役割を終え、建築的機能の死を迎えた。これを受け、東京タワーの墓碑を計画する。
現代都市では、生きた人間が経済活動のために塔を乱立し、同時に死者のための場所は減り続けている。塔の乱立による経済発展は、都市への人口集中をもたらし、墓地不足と個人の孤立・無縁化を引き起こした。
生者と死者の場所が等しく造られることが、現代において希薄化したイエ意識の復活に寄与し、無縁化を解決する手立てとなると考える。
本計画では、高度経済成長の象徴たる東京タワーの正面に、無縁故者の最後の場所としての火葬場・散骨墓地を含んだ塔の墓碑を建築することで、生きた人間による私益のための塔の乱立という現状を批判し、都市における死者の居場所の扱われ方に疑問を投げかける。
[敷地]東京都港区芝
[用途]火葬場 自然葬墓地