2017年度卒業設計 精励賞受賞作品
地方都市である函館市の郊外地域にあたる北斗市。そこに在る、建売住宅群によるニュータウン。時の止まりを感じる、静かで無機質なその住宅街を再計画した。
手法としては、既存の街に「原宿」という建築物の密度やボリュームの全く異なる「異物」を、地図という平面図を用いてコラージュさせた。コーリン・ロウが著書「コラージュ・シティ」において提唱したコラージュの手法は、「コラージュするオブジェクトの本来の意味を文脈から徴用する」というものであったが、今回私は「コラージュするオブジェクトの本来の意味を残留」させた。つまり、北斗市であり、原宿である。
ふたつの地域の意味を残留しつつコラージュされたまちは、Remixや二次創作というような続編の創造を受け入れる寛大さとやさしさがある。この寛大さとやさしさが、住まい手にわかりやすく伝わり、創造行為が連鎖し、出会いが多くあるまちとなる可能性を感じた。さらに、異物と異物のコラージュ(組み合わせ)によって、見たことのないカタチが集合し、見たことのない新しい街が生まれた。
[敷地]北海道北斗市
[用途]住宅街