2017年度卒業設計 稲芽会賞受賞作品
近年、墓地を必要としている人数が減ってきており、永代供養の平面墓地ではなく、合葬墓地が受け入れられてきている。その背景として、都市に墓地が少なく、後継者問題や維持管理ができないということから無縁仏が増えてきていることが大きい。また死後、自然に還りたいという欲求も高まってきている。青山霊園は明治より墓地として指定され、昭和32年に青山霊園を公園としての都市計画を決定し、区部霊園は都民の共有財産であり、霊園利用者だけでなく広く都民が利用できるよう「霊園」と「公園」が共存した空間として再生するということを目標にしている。しかし、墓地という性質上、全面公園化は困難であり非常に長期間を要する。
この計画では無縁墳墓等を整理し都市における墓地の不足を少しでも解決しつつ全面公園化を目指した。地上には曲面ガラスの墓標と樹木葬の場を設け、墓参者は弔いの為に花を植えていく。地下には既存墓石を移設しつつ、ガラスの墓石に新たな死者を弔う場となる。地上は花で満たされていき公園として人々が多く集まり、地下は墓地のもつ荘厳な雰囲気持ち、現代社会にタブー視されている死を日常に溶け込む場となる。
[敷地]青山霊園
[用途]墓地+公園