2017年度卒業設計 萩原賞受賞作品
敷地は東京都調布飛行場に隣接した場所である。調布はWWⅡより『空都』と呼ばれ、調布飛行場は陸軍飛行場として利用された。返還されるまで自衛隊基地や米軍跡地、掩体壕といった機械と人間の負の記憶がある。
私は調布飛行場横に航空学校を計画する。航空産業では人材需給の不一致による人材育成が社会的課題である。さらに機械と人間の負の歴史を転化することも地域の課題である。よってまず過去の歴史を参照し街道・鉄道線・滑走路を、各々動線・機械の道・設備の道と再解釈する。
さらに本来隔離される格納庫を学校内に並置するMixed Planningを計画した。格納庫の形状は大地が隆起した掩体壕を参照し格納庫上部や内部に教室や図書館等を入れ子状に計画する。屋根構造は赤く染められた立体トラスを採用し飛行機と呼応する。
建築を北西軸に切削する風の道は、構造と設備の役割を果たし機械と人間が邂逅するという新たな経験を創出する。
機械(飛行機)と人間の負の歴史がある調布において、機械と人間の新たな関係を築ける建築を計画した。
[敷地]東京都調布飛行場横
[用途]航空学校