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ふたつでひとつの物質試行「50+51」 1/3

ふたつでひとつの物質試行「50+51」

鈴木 了二(2010年度紀要AARRより)

2010年6月に物質試行No.50「下田の住宅」が竣工した。また2010年4月から8月にかけて東京竹橋の国立近代美術館で開かれていた「建築はどこにあるの」展に物質試行No.51「DUBHOUSE」を出品した。

このふたつのプロジェクトは、No50は建築でありNo51は美術だが、しかしこれらふたつの作業は「DUB」について考え、実践し、検証しようとしたという点から同一の作品と見なすことができる。「下田の住宅」と「DUBHOUSE」はどちらも「3つのヴォイド=穴を有する空洞である」ことにおいて同相である。分かりやすく言えば、同じ縮尺の平面図と断面図を比較すればすぐ分かるように、間口と奥行きと高さのプロポーションが違うだけで、あとはほとんど同じ構成なのである。プロポーションが変わっても、にもかかわらず変わることのない強い性質がこのプランにはあると気付いたときが「DUB」の始まりだった。

音楽のサンプリングにおける増幅を「DUB」というように、建築の膨張/圧縮を「DUB」と呼ぶとするなら、「下田の住宅」と「DUBHOUSE」は、お互いにそれぞれ相手の「DUBがかかったもの」であるということになる。「下田の住宅」の間口と高さを圧縮し、そして奥行きを引き延ばしたものが「DUBHOUSE」なのであり、また「下田の住宅」にとってはその逆である。

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