2020年度卒業設計 赤坂賞
東京都渋谷区道玄坂、109の裏手に関東大震災後から存在する百軒店商店街。「平面デパート」として老舗を117軒誘致し、人為的に作られたこの街区は、次第に周囲の住人達により音楽・文化の発信地となる。商売繁盛の為遷移された千代田稲荷神社を中心に大型の劇場と映画館、周辺の商店街にはジャズ 喫茶などが多く存在。渋谷の中心地として栄えた。しかし周辺の発展・産業化とともに、その音楽や劇場空間は商品として周辺の産業の中に取り込まれ、人々の生活行動でもあった土着文化は発散。商店街は次第に人や店が姿を消し、劇場と映画館も幕を下ろして衰退・過疎化を迎えた。現在の商店街で当時を知るのは2店舗と神社のみ。飲食店も点在するが何より風俗店が所狭しと並び、その潮流に飲み込まれようとしている。
本計画は、過疎化した小街区の輪郭を可視化させ、エリアとして人々に認識させることでその土地の歴史や文化を再興させることを目的とする。この建築には新たな文化の為でなく、かつての土着文化を再興させる為の施設が付随。街の中央にはかつての劇場空間を屋外に再現し、広場空間と街路の融合という新たな盛り場も提案する。
- [敷地]
- 渋谷区道玄坂百軒店商店街
- [用途]
- 商店街大屋根兼文化施設