2020年度卒業設計
利休が完成させた「茶の湯」の概念と「サウナ」に関わる事象に類似性があると仮定した。そして、本設計では、「茶の湯」の概念を反映させた【草庵サ室(造語)】とそれに付随したランドスープの設計を通して、究極のおもてなし空間(複合スパ施設)の計画を試みた。「茶の湯」の概念である「露地」をランドスケープの軸として機能を配置し、また、「利休の思想」や「待庵」茶室に習い「草庵サ室」の意匠計画を行った。加えて、茶事における「亭主と客の関係性」とサウナにおける「熱波師とサウナーの関係性」の類似性に着目して計画を進めた。舞台は、神が宿ると謳われている伊豆諸島の1つ、神津島。神聖な島として周知されるとともに、流紋岩質マグマで成り立つこの島は【黒曜石】の産地としても名高い。敷地は、島の中央に位置する天上山の頂にある千代池(火山跡地の溜まり池)周辺に設定した。俗世から離れた浮世の世界を舞台に、「茶の湯」や「サウナ」、「神津島」を取り巻く要素を紡いで生まれる、非日常なおもてなし空間をここに提案する。
- [敷地]
- 東京都神津島村天上山
- [用途]
- サウナ/スパ