2019年度卒業設計 萩原賞受賞作品
台風・地震などの自然災害による洪水・土砂崩れ・地滑りなどの災害が激甚化している。自治体は急傾斜地の崩落による災害が想定される地域を「急傾斜崩落危険区域」に指定し、地盤補強を行ったうえで崩落を誘発する行為を制限している。人口密度の高い東京23区に急傾斜崩落危険区域が7箇所指定され、そのうち4箇所が赤羽駅周辺にある。敷地に選んだのは東京都北区赤羽⻄二丁目の急傾斜崩落危険区域である。敷地には急傾斜の崩落防止のために、約1.2m間隔で鉄筋コンクリートのグリッドが被されている。既存のグリッドを残しつつ、このグリッドを地盤補強構造体により新たな形に変換する。新旧グリッドの対比による敷地と新たな構造体との調和を意図した。敷地は急傾斜崩落危険区域に指定されるとともにフェンスで囲われて立入禁止となっている。新たな地盤補強を追加して崩落の危険性を低減することにより立ち入り可能とし、人々に愛される景観に変える。