2019年度卒業設計
港区白金台にある自然教育園の境界のデザインをした。自然教育園は都内にありながら豊かな緑を抱えている。しかし自然のままの姿を残し、研究するというこの園の目的上、周囲は万年塀に囲まれ、外部から内部の様子は窺い知れない状況である。そこで敷地のコンテクストを読みながら元の境界のラインに対し、にじみ出し、にじみ込むようなもうひとつの境界を設定した。するとその2つの線の間に都市でもありながら自然でもあるような場所がいくつか生まれる。その境界の曖昧な部分を作ることで多くの人々に自然教育園に触れる場所やアクセスを増やし、自然教育園の豊かな緑を守りながら開放する。
ところでタイトルの”Symbiosis”は生物学の用語で相利共生という意味である。共生という言葉にもいくつかあって、そのうち相利共生とは関係する双方の生物種がどちらも利益を得ている共生関係の事をいう。自然教育園と周囲の都市環境、ひいては自然と人間がそのような関係になれないかと考え設計した。