2018年度卒業設計 校長賞受賞作品
上井草スポーツセンターは、総合運動施設である。しかしながら、この施設は現在「スポーツ」のために利用されるにとどまっており、非常に単義的な意味づけになっている。そこで、私は「運動」と「スポーツ」という概念を見直し、その両立を目指した運動公園を提案する。
現代における運動はスポーツという限定的な枠組みの中でしか提供されないものになってしまった。その結果、子供達の運動能力に深刻な格差を生み出してしまった。これは、スポーツをする環境は十分に確保されているが、空き地や車の通りの少ない路地空間が失われたことで、スポーツ以外での運動を経験する機会が著しく少なくなっていることを表している。上井草スポーツセンターはスポーツ施設としては十分に機能しているが、断面的にも制度的にも閉鎖的である。よって気軽に入って走り回ったりボール遊びがしづらい状況である。
本卒業設計は、子どもやすべての人々が枠組みにとらわれない自由な精神で「運動」を享受できるようなスペースと、統一された枠組みを持った「スポーツ」施設の両者を共存させ、複合的な意味合いを持った新しい運動公園の提案とする。
[敷地]東京都上井草
[用途]運動施設