2018年度卒業設計 稲門建築会賞受賞作品
都市における清掃工場のこれからのあり方を考える。
災害大国日本において災害時に発生する混合廃棄物の処理、また、東京都においては最終埋立処分場の限界など、ゴミ処理に関する問題の解決は急務である。
東京都池袋、都心部の人口密集地にありながら、鉄道と高速道路に囲まれ、立地・機能ともに閉ざされた既存の清掃工場。これを機能拡充、廃棄物発電を利用した集合住宅などと複合させることにより、都市に開かれたこれからのインフラとして、人々と共生する未来を考えた。
敷地のコンテスクトから生まれた三角形のグリッドは、その上に立つ大きなボリュームを見る角度によってごく薄い面のように見せる。低層部は分節されたボリューム群として北東に位置する木密地域からのスケールを引き込み、周辺地域と呼応する。また、従来地上に繋がれた重厚な基壇部は、宙に浮かせることにより、軽やかに人々の交流を生み出す装置となる。雲のように浮いた基壇部の上には大小の三角柱が応答しながら林立し、少しずつ高さを変えながら伸びていくスラブが律動を生み出し、空へと消えていく。
資本主義社会のなかで乱暴に生産されていく近代の高層建築に対し、これからの循環型社会におけるスカイスクレーパーを計画した。
[敷地]東京都豊島区上池袋
[用途]清掃工場 集合住宅 その他複合施設