Research Theme 研究テーマ
政治、外交、経済、社会など多角的な視座から中国を分析し、早稲田大学の中国研究の専門家が集う横断的な研究機構
Research Director 所長
Member メンバー
- 天児 慧 早稲田大学名誉教授
- 毛里 和子 早稲田大学名誉教授
- 青山 瑠妙 国際学術院大学院アジア太平洋研究科教授
- 菊地 朋生 国際学術院大学院アジア太平洋研究科教授
- 小林 敦子 教育・総合科学学術院教育学部教授
- 齊藤 泰治 政治経済学術院政治経済学部教授
- 佐藤 たけし 国際学術院国際教養学部教授
- 舒 旻 国際学術院国際教養学部教授
- 張 望 国際学術院国際教養学部教授
- 唐 亮 政治経済学術院政治経済学部教授
- 中嶋 聖雄 国際学術院大学院アジア太平洋研究科教授
- 劉 傑 社会科学総合学術院社会科学部教授
- 大嶋 英一 元神戸大学国際協力研究科教授;元在フィジー日本大使(在キリバス、ナウル、ツバル、バヌアツ日本大使を兼務)
- 角崎 信也 霞山会
- 杉浦 康之 防衛省防衛研究所
- 平川 幸子 早稲田大学先端社会科学研究所客員上級研究員(研究院客員講師)
- 堀内 賢志 静岡県立大学国際関係学部准教授
研究キーワード
地域研究 国際関係 現代中国 中国政治 中国の対外政策 中国の教育 中国近現代政治思想 一帯一路 中国経済 日中関係 中台関係
研究概要
2012年11月の中国共産党第18回全国代表大会(第18回党大会)を画期として始まったとされる習近平「新時代」のキーワードの一つは「強国」である。習近平(中国共産党中央委員会総書記)は、毛沢東時代の中国を「立ち上がる(站起来)」過程、鄧小平時代を「豊かになる(富起来)」過程であったとしたうえで、現在を「強くなる(強起来)」という新たな飛躍を遂げつつある時代と位置付ける。そのゴールは、今世紀中葉までの実現が目指される「社会主義現代化強国」の建設であり、「中華民族の偉大なる復興」ということになろう。ここでいう「強国」とは、おそらく、国内的には、経済的に豊かで、格差が相対的に小さく社会が安定し、(共産党のもとで)政治的にも安定している国家を、対外的には、そうした大きな「総合国力」を背景に「国際影響力」において世界の先頭に立つ国家を、そして軍事的には、米国に匹敵する「世界一流の軍隊」を有する国家を意味しよう。
事実として、習近平政権下の中国は、新型コロナウィルスの感染拡大を比較的短期間で抑え込み、世界に先駆けて経済の復興を開始し、「一帯一路」を掲げて国際的な影響力をさらに拡張させ、また、民間の技術や資金も活用しつつさらなる軍事力増強を進めている。しかし、その一方で、「強国化」の実現に向けて避けては通れない課題は山積している。
いまや中国の動向は、東アジアだけでなく、国際社会全体の秩序を左右する最大のファクターの一つとなっている。そうであるなら、我々は、目覚ましい発展を続け、壮大な目標を国内外に揚々と掲げつつも、他方では数々の課題に直面し、それに苦悩する中国の「実像」を的確にとらえ、かつその趨勢を適切に見極めねばならない。そして、そのためには、中国が抱える多種多様でかつ複雑に絡み合う諸課題に対応した、領域横断的で継続的な調査・研究が不可欠である。
このような問題意識に立って、本研究所は、中国の内政、外政、社会、思想、歴史の各分野および広く中国をめぐる国際関係を専門とする研究者を集め、中国の実像、あるいはその国際秩序に与えるインプリケーションを多角的な視角から分析するための研究プロジェクトを実施する。
本プロジェクトは、上記のメンバーを中核として、研究顧問や招聘研究員、および本研究所がこれまで構築してきたネットワークをフルに活用する形で実施される。こうした体制により、中国という多面体を複数の視点から多角的に照射し、その「実像」を詳らかにすること、および、そうした知見を日本語、英語(あるいは中国語で)積極的に発信し、学術界や広く社会と共有することを目指す。