研究キーワード
研究概要
人口減少社会においては、災害や環境破壊、パンデミックやその他の事件など、社会的な出来事が引き金になって、地域社会で培ってきたさまざまな関係性が分断され、直接底辺層の格差拡大に繋がることが頻繁に起こる。人口減少のように時間をかけて慢性的におこってくる出来事と、災害やパンデミックのように急速に変貌する出来事のあいだには、緩急の差はあれ質的には同質の問題が起こっているとみることができる。
東日本大震災等に代表される災害事象は、私たちの社会生活を根幹から危機的状況に陥れ、現代社会が直面しているさまざまな課題を浮き彫りにする。同時に、この危機的状況に晒された個人や集団への対応は日本社会のもつ特質を示しており、個人の心身の状態やメゾ環境(家族、職場、学校、地域社会など)の属性に応じた現実的かつ効果的な社会生活支援のしくみを構想し実現することは重要な研究課題となる。また、その生活支援の実態の推移を通じて顕在化する日本の現代社会のもつ歪みや課題を掘り下げることもまた、重要な研究課題である。
本研究所では、このような現在の危機的社会状況の内実を明らかにすることを試みる。さらには、長期的な経済危機や激甚災害・パンデミックによる苦難などの社会背景が、国家の枠を超えて深甚な社会的影響を惹起し日常生活を混乱に陥れ、社会的な亀裂を深め、社会編成の仕組みや原理を変質させて民主的なルールを破壊していく局面を、調査研究し分析していく。