頂新国際集団康師傅控股有限公司*夢プラン奨学金(Master Kong Dream Scholarship Program)により、本学に留学中の中華人民共和国主要5大学(北京大学、清華大学、復旦大学、上海交通大学、浙江大学)の学生が、高知県宿毛市において、2016年11月2日~5日までフィールドトリップを行いました。
※頂新国際集団 康師傅控股有限公司は、中国における最大の台湾企業であり、総合食品会社です。
【夢プラン概要】 留学期間:半年間(本学の春学期、もしくは秋学期にあたる期間) 奨学生数:年間50人(半期25人)、10期合計で250人を想定 プログラム開始時期:2016年度秋学期受入学生から開始。現在の受入数は19名。 |
本留学生達の学習のテーマには、「高齢化社会への対応」、「地方の人口減少への対策」等があがっています。そのような課題先進県ゆえに課題解決の先進県として様々な施策を展開している高知県において、本学の建学の母と称される小野梓生誕の地であり、ゆかりの深い宿毛市と協議を重ね、このフィールドトリップが実現しました。宿毛市と本学の留学センターは、本フィールドトリップを向こう5年間継続して実施する旨の協定書を締結しています。
フィールドトリップは、11月2日(水)に学生19名が東京から高知へ出発。同日の高知県庁訪問では、高知県の人口問題の現状と対策についての説明を受け、尾﨑知事も学生との懇談に時間を割いてくださいました。留学生からも中国の高齢化社会・人口問題についてのプレゼンテーションの機会をいただくとともに、日本と中国の相違点などを背景に異なる視点から積極的に興味深い質問を重ねました。
3日(木)は、早朝より宿毛市に移動。宿毛歴史館の歓迎式典では、中平市長はじめ関係の方々より多大なる歓迎を受けました。同歴史館では、本学の建学の母 小野梓や本学理工科の新設に尽力した竹内明太郎はじめ、宿毛市が生んだ偉人の歴史と本学との関係を中心に、国際判事として、清国人船員を不当労働から解放した大江卓についても学びました。
3日の宿泊先は、「山里の家」。廃校となった小学生を活用したこの宿泊所に学生は興味津々でした。夜は、地元の方々が心を込めて作ってくれた郷土料理を囲んで地元の方々との温かい交流を深めました。留学生からは感謝の気持ちを精一杯歌にのせて、世代、国、言語を超えたとても親密な時間を共有しました。
4日(金)は、橋上小学校を訪問し、小学生との心温まる交流がうまれました。日本の小学校の給食、給食当番や掃除当番など日本の小学校に特徴的な取り組みに新たな発見や気付きも多く得られたようです。掃除の時間では、小学生達の指導のもと、最初は戸惑いながらも熱心にトイレ掃除に取り組む留学生達の姿が印象的でした。
その他にも漁業に関わる方々、再生エネルギーの方々のお話しをうかがいながら、食や環境の安全性、持続可能な社会の在り方、自然との共存などについて新たな視座を得ることができました。実際の現場を自身の目で確かめ、肌で経験し、小学生から年配の方々まで様々な世代やバックグラウンドを持つ地元の方との交流を通して、日本への理解にとどまらず、人間や社会への理解が一層深まりました。こうした、キャンパスではなかなか得られないフィールドトリップならではの経験が留学生達をさらに成長させると思います。将来、中国で指導的な人材になることが期待されている学生達にとって、刺激的で貴重な経験になりました。
最後の夜は、秋沢ホテルでのホスピタリティー溢れるおもてなしに、強行日程の疲れも忘れ、地元の方々と過ごす大切な時間を惜しみながら、交流会は夜が更けるまで続きました。
留学生達に残された早稲田での留学期間は3カ月足らずですが、今回のフィールドトリップを契機として、留学生達の学習に取り組む姿勢がより一層真摯になったことが早くも実感されます。早稲田を巣立つとき、留学生達がどこまで成長しているのか、期待が大きく膨らみます。