- 研究番号:20P15
- 研究分野:technology
- 研究種別:プロジェクト研究
- 研究期間:2020年04月〜2023年03月
代表研究者

武岡 真司 教授
TAKEOKA Shinji Professor
先進理工学部 生命医科学科
Department of Life Science&Medical Bioscience
URL:http://www.takeoka.biomed.sci.waseda.ac.jp/
研究概要
研究代表者らは、これまで高分子超薄膜(ナノシート)のユニークな柔軟性や密着性に着目して、「ナノ絆創膏」「電子ナノ絆創膏」としてバイオメディカル領域やスポーツ科学領域での応用を目指した研究を展開してきた。特に、導電性高分子(PEDOT/PSS)からなるナノシートは、筋電や心電をモニタリングできる柔軟な皮膚電極であり、更に導電性インクによる印刷技術を組み合わせたスキンエレクトロニクスを展開してきた。他方、温度、酸素、pHなどに応答する機能性蛍光分子を導入したナノシートは、昆虫や植物の組織の代謝を蛍光マッピングできる他、人工血球(酸素運搬体、人工血小板)の評価にも適応できる。第1期の研究によりナノシートに対する本質的な課題は、低侵襲性(安全性)、安定性と分解性の制御であった。
本プロジェクト研究では、第1期と同様に生体情報や環境情報を持続的にモニタリングする薄膜型センサの開発を関連企業と共に行う。測定対象は筋電、心電、眼電、温度、pH、酸素などであり、これらの対象に対して感度・特異度や時空間分解度をアウトカムとする。ナノシートの素材、膜厚、構成、印刷条件、接続、さらに生体や組織に由来する現象など多くの因子が影響するので多変量解析により、条件の最適化を行うとともに得られたデータを解析して有意な情報をアウトプットするプログラムも開発する。第2期では、身体各部の筋電モニタリングデバイスを開発すると共に、加速度・感圧センサと組み合わせた人間工学的な研究に適応する。また、組織の代謝状況を温度・酸素・pHのマッピングからモニタリングするデバイスの開発も行う。