- 研究番号:25P01
- 研究分野:bio
- 研究種別:プロジェクト研究
- 研究期間:2025年04月〜2028年03月
代表研究者

中尾 洋一 教授
NAKAO Yoichi Professor
先進理工学部 化学・生命化学科
Department of Chemistry and Biochemistry
URL:http://www.chem.waseda.ac.jp/nakao/#
研究概要
これまでの理工研プロジェクト研究では、①天然物ケミカルバイオロジー(3期)、②共生環境化学(3期目)とプロジェクトメンバーを入れ替えながら、研究展開を図ってきた。この過程で天然から医薬品の探索 → 健康維持にかかわる食品の機能性成分の探索およびその生産にかかわる微生物とのつながりへとプロジェクトテーマが発展を遂げ、この度申請するプロジェクト『環境循環エコシステム』では、人間の社会的活動のひとつである研究を自然環境とのかかわりに配慮したエコシステムという観点からとらえなおすことで、新たな時代のニーズに適合した研究成果を生み出すことを目的としている。
具体的には、人類の健康・福祉に直結する医薬品の開発については、従来通りの医薬品の探索研究に加え、人々が日常生活の中で病気の予防手段として手軽に使用可能となる機能性食品への研究展開に比重を移す。医薬品の合成研究では予防的な効果が期待できる化合物をターゲットに選び、環境負荷に配慮した化学合成手段や自然界から見出した天然酵素などによる構造変換を行う。
また、生み出した化合物が思わぬ毒性を有していることが、これまでの化学の歴史上しばしば見られたことであるため、化合物の毒性について、AIなどを用いて正確な予測を行うためのシステムの開発を行う。毒性予測は医薬品や食品成分の機能性や機能メカニズムの予測にも応用が可能であるため、次世代の研究分野としての展開を試みる。一方、環境変化が研究トレンドに大きく影響を与えるファクターとなりつつあるため、時代を先読みするための手段として予測システムの開発も行う。