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当研究科・馬渡和真教授主導『食と環境の安全・安心を実現するSATREPSプロジェクト』分析R&Eセンター開所式がVNUハノイで開催されました
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- 2025年11月26日(水)
早稲田大学情報生産システム研究科・馬渡研究室(馬渡和真教授)が研究代表者(PI)を務めるJST/JICA SATREPSプロジェクト「食と環境の安全・安心を実現するハイテク簡易オペレーション分析デバイスの開発と人材育成」(以下「本プロジェクト」)において、ベトナム国家大学(Vietnam National University: VNU)Hoa Lac新キャンパス内に整備された 「分析R&Eセンター(Analysis R&E Center)」 の開所式が、2025年11月18日に開催されました。
当日は、在ベトナム日本国大使館の伊藤直樹大使、VNUホアン・ミン・ソン総長をはじめ、政府機関、企業、大学関係者など 160名以上 が参加し、センター施設の公開やSATREPSプロジェクトの紹介が行われました。

ベトナムが直面する環境問題と、本プロジェクトの意義
ベトナムでは、急速な産業発展と都市化に伴い、小規模製造業を中心とした水質汚濁・大気汚染の増加 が深刻な課題となっています。一方、汚染実態の把握に不可欠な分析技術・分析人材・データ解析基盤 は、依然として整備途上にあります。
これに対し本プロジェクトは、日本とベトナムの学術機関・行政機関・産業界が連携し、
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現場で迅速に測定可能な 重金属モニタリングデバイス の開発
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全国規模で設置されている 水質・大気モニタリングステーションの高度化
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政府分析官のための 環境モニタリング資格認定制度の構築
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環境データの統合・解析を可能にする データサイエンス基盤の整備
といった、多面的かつ実装志向の取り組みを推進しています。
この包括的アプローチの中心的役割を果たすのが、今回開設された分析R&Eセンターです。
分析R&Eセンター:ベトナムにおける環境モニタリングの中核的研究拠点
分析R&Eセンターは約1000㎡の研究空間を備え、研究開発・教育・データ解析 の 3 機能を統合したベトナム初の総合環境モニタリング拠点として設計されています。
① 先端分析技術の研究開発拠点
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マイクロ流体技術に基づく重金属分析デバイス
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ドローンを活用した遠隔採水技術
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低コスト大気センシング(LCS)デバイス
など、現場適用型の高度分析技術を開発し、実証研究を進めます。
② 環境分析人材の育成拠点
政府機関の分析官や大学院生を対象に、水質・大気分析、重金属検出、データ解析などの体系的教育を実施します。年間200名規模のトレーニングキャパシティを備え、ベトナムの環境技術者育成のハブ として機能します。
③ 環境データサイエンス拠点
ベトナム全国のモニタリングステーションから得られるデータに、本プロジェクトで開発した新規デバイスのデータを統合し、汚染源解析や拡散予測モデルの構築など、科学的根拠に基づく環境政策形成 に寄与する解析を行います。

参画研究機関
日本側:早稲田大学(プロジェクト代表)、東京大学、株式会社堀場製作所、東亜ディーケーケー株式会社
ベトナム側:ベトナム国家大学(VNU)、農業環境省(MAE)、バックニン省地方局、NCEM ほか
開所式は現地主要メディアでも広く報道
開所式の様子は、以下リンクの通り、ベトナム国内の複数の新聞・メディアで報道されました。
【現地報道(外部リンク)】
ベトナム政府電子新聞
ベトナム国家大学(VNU)公式サイトによる開所式紹介記事

テープカットの模様
関連情報
研究プロジェクト公式サイト(英語)
JST「食と環境の安全・安心を実現するハイテク簡易オペレーション分析デバイスの開発と人材育成」