School of Culture, Media and Society早稲田大学 文化構想学部

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【卒業生インタビュー】文化構想学部(多元文化論系) 中村明日香さん

早稲田大学文化構想学部(多元文化論系)を卒業後、新卒総合職としてKDDIに入社し、現在KDDIドイツ・フランクフルト事務所にて日系企業の営業担当として勤務をされている中村明日香さんにお話を伺いました。(記事は、2016年7月時点のものです)

大学時代について

文化構想学部にて1年次は文学部・教育学部の科目含め英文学、フランス語、文化論、社会学、メディア学など幅広く履修しました。また、IMG_3890 (2)英語教員というのも一つの選択肢だったため、2年次には論系を選ぶ際に英語の教職を習得すべく、多元文化論系を選択。その中でも多文化主義について学びたかったため英連邦諸国のゼミに進みました。多元文化論系ではゼミをまたいでその他のゼミの同期から刺激を受けることも出来、今もその仲間も日本・海外・大学院と他方で活躍しています。
学業以外では、軟式庭球同好会でのサークル活動、スターバックスコーヒーでのアルバイト。テニスでは真っ黒になりながらも東京六大学・関関同立と毎年交流試合をしました。スターバックスは接客のマニュアルなどはなく、スタッフ同士・お客様どちらでも相手がどう受け取るか、どう動けば効率的で前向きな行動になって周囲の仲間といい影響を与え合えるかを常に考えた日々でした。

海外勤務は希望されていたのですか?

小学生の時にオーストラリアに住んでおり、当時の日系メーカーの活躍から日本の存在感を目の当たりにしていたため、漠然と日本は存在感があって、リスペクトされた国なんだと感じていました。しかし自分が社会人になるにつれ、新興国の台頭により日本の国自体の影響力が弱まっていましたが、だからこそ日本と海外をつなぐビジネスをしたい、もっと日本企業が海外でも活躍できるサポートをしたいと思い、現代のビジネス環境には欠かせない通信事業者であるKDDIを選びました。

海外で勤務をしていて、日本人だからこそ感じる価値観の違いはありますか?

IMG_3869 (2)日本人だからこその強みは、仕事における細かな気配りだと思います。それは対お客様、対社内どちらもです。海外では従業員各人にJob Discription(職務記述書) というものがあります。各自の職務を明確にするためにあるのですが、明確にしているため自分の範囲外の仕事が来ると「それは私の仕事ではない」とはっきりと言います。その代わり自分の職務範囲はきっちりとこなします。日本人は仕事を最後までやり切る姿勢が強いので、ある意味その間を埋める役割もこなせると思います。ただ日本の仕事のやり方として変えなければいけないのは、相手が察してくれるだろうと期待することかと思います。日本人同士であれば割りと自分のチームメンバーの状況は理解してますが、こちらは個人主義です。自分自身の考えは強く持ち、相手に随時伝えていかなければなりません。

海外で生活をしていて、日本文化(文学・美術・演劇・宗教観・倫理観 等)についてどう感じますか?

結論から言うと正しく理解されていないことが多いのではと思います。例えば隣国のフランスではマンガ・ゲーム等のポップカルチャーが大々的に取り上げられ、ドイツでは料理番組で日本人がめったに食べないようなものがポピュラーなものとして取り上げられたりします。この部分は文化普及というよりも商売的な色合いが強いですね。ただここフランクフルトではNippon Connectionという日本映画祭が毎年行われており、定期的に映像を通して日本文化を伝える取り組みがあり、日本人としてはとても嬉しいイベントです。また大学の先輩でもある村上春樹さんの作品も本屋に山積みされていることがあったりします。しかしながら文化伝播もその国の経済力だったり発信力によってしまうところもあるので、最近では中国・韓国に押され気味とも感じます。伝統文化について言えば海外では演劇の地位が高いので、歌舞伎・能楽などを通して広めていってもらいたいと思います。日本の美術・演劇・宗教観など全てを伝えられるはずです。

文化構想学部で学んだことで、今に活きていることがあれば教えてください。

文化構想学部では「文化」をキーワードにどんな課題にもチャレンジできる環境があります。私は英語圏文化論の分野でIMG_0830_2イギリス文化を学びましたが、文学・建築・芸術等の伝統から音楽などのサブカルチャーまで幅広く学習しました。その後異なる文化がどう対等な立場で扱われるのかを研究したいと思い、多文化主義を卒業研究テーマとしました。今フランクフルトに住んでいますが、フランクフルトはドイツの中で最もインターナショナルな都市です。ドイツ人、東欧、中東、アジアなど多様な人が混在してますが仕事の場面でも色々な人とコミュニケーションをする必要があり、そんな時に「文化は対等である」ことを認識していることがスムーズな業務遂行に役立ってます。

文化構想学部を目指す高校生の方に対して、メッセージをお願いします。

文化構想学部は専門分野を深めることも出来るし、まだ進路に悩んでいるならば学問分野を超え文化をベースに幅広くなんでも学ぶことが出来る学部です。日本経済は海外との共存があってこそ発展も期待できますし、そのベースとして自国の文化を理解することで他国との違いを認識し、他国の人とも対等な関係を築けます。大学生活は時間があるようであっという間に過ぎ去っていきます。自分が何をしたいのか、自分の強みは何なのかを常に考えていって学生生活を送ってください。また早稲田に入ると同世代の友人も個性が強く、多彩で魅力的な人に出会え、自分の幅が広がります。自分自身の考えを具体化するために早稲田というリソースを使ってトライ&エラーを重ね、更に自分の力を高めていって欲しいなと思います。

そうすることでどんなフィールドでも活躍できるベースを作れるはずです。

早稲田で自分自身の可能性が広がる楽しみを感じてください!

プロフィール

晃華学園高等学校卒業後、文化構想学部に進学。多元文化論系(英語圏文化論)での卒業研究テーマはオーストラリアの多文化主義について。2011年早稲田大学卒業後、KDDI株式会社に入社。外資系企業の営業担当、その後KDDIドイツにて2014年より勤務。

(インタビュー:2016年7月)

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