Graduate School of Commerce早稲田大学 大学院商学研究科

その他

2010年3月修了
■佐藤 英二朗
■会計専修

voice_ma_072010年3月修士課程修了
佐藤 英二朗さん
(会計専修 財務会計研究指導/現職:政府系金融機関勤務)

商学研究科では財務会計を勉強していました。現在は、政府系金融機関の中小企業事業本部に勤務しています。

早大商研への進学を決めたのはどのようなきっかけからでしたでしょうか?

「自分の専門分野をもって社会に出たい!」という思いから、商学研究科への進学を決めました。
私は学部から大学院まで同じゼミの先生の指導のもと、財務会計を学びました。大学卒業後の進路選択には、大学院進学、就職、そして公認会計士試験専念の3つがあり、とても迷いました。当時は好景気で、就職活動は売り手市場。友人たちがメーカーや商社を志望して就職活動を始めるなか、私も夏休みに大手商社のインターンシップに参加してみました。一時は本格的に就職活動を行うことも考えましたが、「ゼミで勉強している財務会計をもっと深く学びたい、自分の専門分野をつくってから社会に出たい」という思いが次第に強くなっていきました。また、私が学んでいる財務会計は企業にとって必要不可欠なものであるため、就職は大学院を修了してからでも遅くないと考えました。公認会計士試験に関しても大学院に進学すれば受験機会が増えると思ったのです。最終的には、ゼミの指導教授にもご相談し、大学院への進学を決めました。

実際に入学され、学生生活はいかがでしたか?

自分の好きなことを思う存分勉強することができ、充実した学生生活を送ることができました。
大学院の授業は学部とは異なり、ほぼすべての授業がゼミ形式で行われます。そのため、1コマの授業に何日も前から予習を行うことが必要となり、時には徹夜で予習することもありました。中にはプレゼンテーション、ディスカッション、期末テストが全て英語で行われる授業もありました。しかし、苦労した分だけ得るものも多く、自分の力になっていることを実感、終わった後には充実感さえありました。
特にゼミは大学院生活の中心です。私が所属していたゼミは、先生と約20名の大学院生で行われます。ゼミの主な内容は、財務会計に関する海外の古典や最新の文献の輪読、ゼミ生の修士論文の検討です。普段はとても仲が良くアットホームな雰囲気のゼミですが、授業が始まれば鋭い意見が縦横無尽に飛び交います。とりわけ留学生も交えてのディスカッションでは、国際的に議論されている会計をよりグローバルに感じることができました。このことは今でもとても強く印象に残っています。また、修士論文の検討では先生を始めゼミ生全員から多くの意見をもらうことができ、修士論文を完成させる上で大いに参考になりました。

修士論文はどのようなテーマで執筆されましたか?

修士論文は国内外の企業年金に関する会計基準をテーマに執筆しました。具体的には退職給付会計の国際的動向に注目し、国内外の基準の精読、先行研究をふまえたうえで独自の視点からその是非を検討しました。先行研究となる資料の入手には商学研究科の図書室をよく利用しました。
特に苦労したのは、膨大な英文の資料の読み込みと論文にオリジナリティを持たせることでした。とりわけオリジナリティの追求には多くの時間を費やしました。また修士論文の完成にむけて、11号館の地下にある大学院生用パソコンルームで夜遅くまで同期と切磋琢磨したことは、とても良い思い出です。
最終的に指導の先生や副査の先生方、ゼミ生から多くのアドバイスをいただき、修士論文を完成させることができました。何度も何度も推敲を重ねた修士論文が完成した時、2年間の学生生活を形として表わせたことに大きな喜びと達成感を感じました。

就職活動はどのように行いましたか。また、進路を決めるきっかけはどのようなことでしたか?

金融業界全般とメーカーの経理部門を中心に就職活動を行い、第一志望だった政府系金融機関から内定を頂くことができました。
就職氷河期の中での厳しい就職活動でしたが、大学院で学んだことは大きく活かされました。たとえば、選考過程によくあるグループディスカッションでは、大学院のゼミや授業での取り組み方をそのまま活かすことができました。また、自分自身が大学院で勉強してきたことも、面接ではそのままアピールポイントになりました。
最終的に内定先を決めた理由は2つあります。
1つめの理由は、大学院で学んだ会計学が活かせる仕事だからです。内定先は企業に対する融資をメインとしているため、会計の知識は必要不可欠になります。また、多くの企業の財務諸表に触れてみたいというのも理由の一つです。
2つめの理由は、使命感をとても大事にしている企業だからです。現在世界的な不況により、日本の多くの企業、とりわけ中小企業は苦境にたたされています。内定先は政策金融機関として使命感をもって中小企業を支援しています。中小企業の最後の砦である内定先で、自分も働きたいと思い志望しました。
大学院に進学したことで、就職活動を無事終えることができたと思っています。

現在、大学院で学んだことをどのように活かされ活躍なさっているかについて教えてください

現在は、政府系金融機関で融資の仕事を行っています。大学院では財務会計を専攻したため、企業の財務諸表を見る際には、大学院で学んだ知識をそのまま活かせていると思います。
また、大学院で得たものは会計の知識だけではありません。社会人にとって必要不可欠なコミュニケーション能力と論理的思考力も大学院で培うことができました。大学院の授業はディスカッション、プレゼンテーションを行うものがほとんどです。そのため、相手の意見を聞き、自分自身の考えをわかりやすく伝えることが必要になります。2年間で何度も繰り返しそうした経験を積むことで、力をつけることができました。
修士論文の執筆に際しても、自分の考えを理路整然と相手にわかりやすく伝えることがとても大切になります。一見すると修士論文と社会のつながりは薄いようにも感じますが、実際には社会において必要不可欠な部分も論文執筆過程で鍛えることができると思います。

進学を検討されている方へ、メッセージをお願いいたします

商学研究科は自分自身を大きく成長させることができる環境です。それは私自身が経験しています。
商学研究科に入学したばかりの時、進学したのは良いものの2年後に修士論文を完成させることができるのだろうかと、とても不安でした。また、周りの院生の優秀さに自分の至らなさを痛感することも多々ありました。そのような中、少しでもついていけるように一生懸命努力し、そして最後には修士論文を完成させることができました。就職活動に関しても、就職氷河期の中で厳しい状況にありましたが、大学院で学んだことが大きく活かされ、その結果として第一志望の会社から内定を頂きました。
2年前の自分にはできなかったことをできる自分が今います。それは商学研究科で尊敬する先生のもと、また多くの優秀な院生の中で努力し、引き上げてもらったからだと思います。
商学研究科修士課程で学んだのは、ほんの2年間です。学部の半分の期間しかありません。しかし、毎日がとても充実した中身の濃い一日で、何度も成長を実感しました。商学研究科は自身を成長させるチャンスを提供してくれます。大学院進学を検討されている方に、私は商学研究科への進学をお勧めします。

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