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【柳井イニシアティブ】紙フィルム上映会『知られざる日本アニメの源流』 (6月14日~7月6日)

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Fri 30 May 25

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Fri 30 May 25

日本にはかつて、紙のフィルムで作られた子ども向けの短編映画がありました。映画といえばセルロイドのフィルムで上映されるものだった時代、1932~38年の短い期間だけ、家庭用のおもちゃとして「紙フィルム」作品が売られていたのです。子どもたちは買ってもらった紙フィルムを専用の手回しの映写機で上映して遊んだようです。映像の多くはアニメーション。映画館で観る映画が白黒だった時代に、紙フィルムではカラーで印刷された鮮やかな色彩の映画が観られました。素朴でかわいらしいキャラクターや動物のおとぎ話、とぼけた侍たちの時代劇、時代を反映した戦争モノまで、たくさんの作品が作られています。

紙フィルムはもともと家庭用のメディアであり、劇場での公開上映を意図したものではありませんでしたし、紙で作られた劣化しやすい資料を保存するためにも、これまでそのような上映を広く行なうことは困難でした。

しかしこの度、このメディアに注目し、デジタル技術を活用しながら保存と研究に取り組んでこられた 「紙フィルム研究プロジェクト」(バックネル大学)と 「日本映像学会メディア考古学研究会」、そしてこの貴重な資料を収集・保存してこられたコレクターやアーカイブの方々のご協力のもと、この上映会「知られざる日本アニメの源流」を実現できる運びとなりました。

中心となるプログラム「紙フィルムの世界」では、現代の技術でデジタル化された34本の紙フィルム作品を弁士の語りと音楽のライブパフォーマンスとともにご紹介いたします。また、特別プログラム「日本アニメの誕生から紙フィルムまで」では、紙フィルムを同じ時代の関連アニメーション作品とともに取り上げ、紙を使ったアニメーションの広がりを紹介します。

知られざる紙フィルムの世界、そして紙とアニメーションの世界をぜひご堪能ください!

ツアースケジュール

6/13 (金)東京 早稲田大学小野講堂
オープニング講演会ーデュオ夢乃による実演奏・片岡弁士による語り付
※詳細はこちらからご確認ください。
6/14(土)東京 新文芸坐 Program 1 & 2
6/21(土)・22日(日)新潟 高田世界館  Program 2 &  3
6/24  (火)大阪 大阪大学中之島芸術センター 関連イベント
※詳細はこちらからご確認ください。
6/25(水)京都 京都府立文化芸術会館   Program 1 & 2
※京都府立文化芸術会館の入場チケットはこちらからご購入ください。チラシ
6/26(木)大阪 シアターセブン Program 2 & 3
6/28(土)・29 (日)愛媛 常設活動写真館 旭館  Program 1,2 &3
7/6 (日) 広島 広島市映像文化ライブラリー Program 2

※入場料、開始時間、プログラム、出演者等詳細は各会場のサイトにてご確認ください。

上映プログラム

Program 1「日本アニメの誕生から紙フィルムまで」

1930年代半ばの一時期に作られた紙フィルム映画を、他の初期アニメーション作品とともに上映します。同じ作家や題材の作品の比較、またアニメーション表現を支えた「紙」の表現を比較(切り紙アニメーション、千代紙映画、切り絵映画、そして紙フィルム映画)することで、紙フィルム映画と初期アニメーション作品の魅力をお楽しみください。
※Program 2との対比上、Program 1では音声が現存する作品も映画説明(弁士の語り)と音楽伴奏で上映します。

1. 正チャンの冒険(東京線画フィルム製作所[推定]、製作年不詳)
2. 冒険ダン吉 漂流の巻(片岡芳太郎、製作会社・製作年不詳)【玩具映画】
3. のらくろ肉弾戦(レフシー、1933年)【紙フィルム映画】
4. のらくろ鬼中尉とミッキーマウス 芝居騒動(片岡芳太郎、製作会社・製作年不詳)【玩具映画】
5. のろまな爺(大藤信郎、スミカズ映画創作社、1924年)
6. こがねの花(大藤信郎、千代紙映画社、1929年)
7. 蟹満寺縁起(奥田秀彦、木村白山、内田吐夢、深田商会映画部、1924年)
8. ポンスケ化修業(大石郁雄[推定]、レフシー、1933年)【紙フィルム映画】
9. 動絵狐狸達引(大石郁雄、P.C.L.映画製作所、1933年)
10. 桃太郎 荒鷲退治(レフシー、製作年不詳)【紙フィルム映画】
11. 漫画 空の桃太郎(村田安司、横浜シネマ商会、1931年)
12. 特急忠臣蔵(カテイトーキー、製作年不詳)【紙フィルム映画】
13. 月形半平太(カテイトーキー、製作年不詳)【紙フィルム映画】
14. 砂煙高田の馬場(木村白山、孔雀、製作年不詳)【玩具映画】
15. サルカニ合戦(レフシー、製作年不詳)【紙フィルム映画】
16. ちょんぎれ蛇(幸内純一、スミカズ映画創作社、1930年)
17. 探偵ターチャン殺人電波(マルサン印フィルム、製作年不詳)【玩具映画】
フィルモグラフィー考証:福島可奈子

Program 2「紙フィルムの世界」

家庭で楽しむための高価な玩具だった紙フィルム映画を現代のデジタル技術によって映画館のスクリーンで上映します。紙フィルム映画の作品群を「おとぎ話・動物」、「紙フィルム独特の作品」、「時代劇」、「軍国物」、「キャラクター物」などのテーマに分け、4本の紙フィルム以外の作品も交えて、紙フィルム映画の世界の広がりをご覧いただきます。オリジナルのレコード音源と合わせた作品、音楽のみの上映、弁士入りの上映など、複数の上映方法でご体験ください。
※【玩具映画】の記載のないものはすべて紙フィルム映画です。

1. 狸バヤシ(レフシー、製作年不詳)
2. 桃太郎 荒鷲退治(レフシー、製作年不詳)
3. 漫画 金太郎 足柄山(ライオン、製作年不詳)【玩具映画】
4. 浦島太郎(カテイトーキー、製作年不詳)
5. カチカチ山(カテイトーキー、製作年不詳)
6. お月さん(レフシー、製作年不詳)
7. 七匹の子羊(レフシー、1934年)
8. 動物オリンピック(カテイトーキー、製作年不詳)*1
9. 怪人ダブロット(ツキボシ、製作年不詳) *1
10. たから箱(レフシー、製作年不詳)
11. No Smorking(私家版、製作年不詳)
12. 荒木又右衛門(レフシー、製作年不詳:辻吉郎監督、大河内傅次郎主演、日活京都、1931年)
13. 特急忠臣蔵(カテイトーキー、製作年不詳)*1
14. 砂煙高田の馬場(木村白山、孔雀、製作年不詳)【玩具映画】
15. 海軍大演習(レフシー、1934年)
16. 満州事変漫画 馬賊大征伐(ライオン、製作年不詳)【玩具映画】
17. 日本人ここにあり(ツキボシ、1934年頃)*1
18. のらくろ萬歳(レフシー、1937年)
19. のらくろ軽気球の巻(レフシー、製作年不詳)
20. のらくろ肉弾戦(レフシー、1933年)
21. のらくろお化征服(レフシー、製作年不詳)
22. レフ坊の魚つり(レフシー、1937年)
23. レフ坊のロケット(レフシー、1937年)
24. ポンスケ化修業(大石郁雄[推定]、レフシー、1933年)
25. スタコラサッチャン 狸の風船玉(レフシー、製作年不詳)
26. スタコラサッチャン 大手柄(レフシー、製作年不詳)
27. トン吉の冒険(レフシー、1933年)
28. 汽車の旅(カテイトーキー、製作年不詳)
29. 無敵凹平の怪賊退治(レフシー、1933年)
30. 無敵凹平河童踊り(レフシー、製作年不詳)
31. スキー(レフシー、1933年)
32. 漫画 お伽のお爺さん(村田安司『タヌ吉のお話』、1931年)【玩具映画】
33. 狸バヤシ(レフシー、製作年不詳)
*1オリジナルのレコード音源とともに上映
フィルモグラフィー考証:福島可奈子

Program 3 無声映画の上映

各会場の独自番組として古典的な長編サイレント映画を上映。紙フィルム映画と合わせて長編切り絵アニメーションの傑作『アクメッド王子の冒険』の他、サイレント映画の古典『イントレランス』と『ロイドの要心無用』をご覧いただきます。

● 6/22 (日)高田世界館(新潟):『イントレランス』( W. グリフィス、1916年)
● 6/26 (木)シアターセブン(大阪):『アクメッド王子の冒険』(ロッテ・ライニガー、1926年)
● 6/29 (日)旭館(愛媛):『ロイドの要心無用』(フレッド・C・ニューメイヤー、サム・テイラー、1923年)

 

出演者

弁士

片岡一郎  <全会場出演>
大森くみこ <京都・大阪・愛媛>
山内菜々子 <東京>
樗澤賢一  <東京>

楽士

デュオ夢乃 <全会場出演>
木村伶香能(箏)玉木光 (チェロ)

湯浅ジョウイチ ギター <東京>
上屋安由美   ピアノ <新潟>
鳥飼りょう   ピアノ <京都・大阪・愛媛>
堅田喜三代   鳴物  <京都・愛媛>

オープニング講演会

ツアーに先立ち6月13日(金)午後、本学小野講堂にて紙フィルムのデジタル化に尽力されているEric Faden(Bucknell University)教授による講演会をデュオ夢乃の実演を交えて開催します。詳細はこちらからご確認ください。※予約不要

第1部 18:00~18:55 「1930年代における日本の紙フィルムの保存と再生」
Eric Faden教授講演会
紙フィルム作品上映(デュオ夢乃による演奏及び片岡弁士による語り付き)

第2部 19:10~19:45
Faden 教授、デュオ夢乃、片岡一郎(活動写真弁士)による座談会 (日本語通訳付き)

主催:UCLA-早稲田 柳井イニシアティブ
協賛:Bucknell University
協力:国立映画アーカイブ、おもちゃ映画ミュージアム、神戸映画資料館、日本映像学会メディア考古学研究会

ポスター

Program 1「日本アニメの誕生から紙フィルムまで」

Program 2「紙フィルムの世界」

オープニング講演会 6/13 (金)@早稲田大学小野記念講堂

関連イベント 6/24 (火)@大阪大学中之島芸術センター

※お問い合わせ:福島可奈子(大阪大学大学院人文学研究科助教/中之島芸術センター兼任教員)[email protected]

お問合せ

早稲田大学柳井イニシアティブ:[email protected]
(平日:9時~17時)

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