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多和田葉子・高瀬アキ パフォーマンス&ワークショップ 2018を開催しました

「沈黙」と「偶然」に焦点を当てたパフォーマンスとワークショップ

2018年11月15日(木)、16日(金)、早稲田大学小野記念講堂にて「多和田葉子・高瀬アキ パフォーマンス&ワークショップ」を開催いたしました。毎年11月の恒例イベントとして開催されているこのイベントは、今回で9回目の開催となります。今回は「沈黙」と「偶然」をテーマにしたパフォーマンスとワークショップが展開され、両氏の作り出す独特な空間に会場全体が魅了されました。

多和田葉子氏は早稲田大学を卒業後、詩人・小説家として活躍。日本では芥川賞・谷崎潤一郎賞、早稲田大学坪内逍遙大賞、ドイツではゲーテメダル、クライスト賞をはじめとした数々の文学賞を受賞するなど、日独両国で精力的に活躍しています。また今年10月には国際交流基金賞を受賞され、11月15日(木)(現地14日)の午前中には、米国において最も権威のある文学賞の一つとされる「全米図書賞(翻訳部門)」を受賞したことが発表されました。(全米図書賞についてはこちら

高瀬アキ氏は、ヨーロッパやアメリカをはじめとし世界各地で演奏活動している音楽家であり、ジャズ、即興音楽を中心としたパフォーマンスは国際的に高く評価され、現在ではコンテンポラリージャズの第一人者としてその名を広く知られています。

パフォーマンス「4分33秒」

パフォーマンスはアメリカの作曲家ジョン・ケージの楽曲「4分33秒」を題材に、多和田氏・高瀬氏のアイデアが組み込まれた新しい世界が次々と創造されていきました。
舞台に明かりが付くとスクリーンには大きなタイマーが表示されており、刻々と時間が進む中高瀬氏の演奏が始まりました。プログラムは、2人同時に異なる文章を朗読する「同時通訳」、ジョン・ケージの著書「サイレンス」と即興演奏のコラボレーションと続き、2つの性格を持つドイツ語の「沈黙(Schweigen,Verschweigen)」について、また政治的な「実験」と音楽的「実験」の対比、グラデーションだじゃれと絵画作品、サイコロを振って出た目の数のページのみを朗読する「サイコロ朗読」などが披露されました。「沈黙」や「偶然」がら生み出された世界がピアノの音と言葉に乗って次々と表現され、様々な角度から「沈黙」と「偶然」を体感することができました。

公演後はアフタートークがありました。ジョン・ケージはなぜ「4分33秒」を作り出したのか。彼は「偶然性の音楽」に何を見出したのかについてお話がありました。
高瀬氏は「彼はコンサートの概念を破り、その1つの約束から離れることで「時間」や「芸術」の在り方を再提示したかった。4分33秒間は演奏しなくても聞こえてくる音はあり、そこに音楽はある。「偶然」にはいろいろな魅力を引き出す力があり、音楽だけでなく、人との出会いなどすべてのことがそう言えるのでは」と語り、多和田氏は「「偶然」と「即興」には実験的なつながりを感じた。今この瞬間をとらえ、今あるものを聴かせるという行為には、そのもの(人や作品)自体の本質が表れている。本の世界でも、本当におもしろい本は、偶然に開いたページを読んだだけでもおもしろい。」とお話しされました。

ワークショップ「言葉と音楽」Vol.9

今回のワークショップ参加者には事前に、「沈黙」と「偶然」について3分以内のテキストを用意するという課題がありました。
ワークショップではそれぞれ作成したテキストを朗読した後、多和田氏・高瀬氏のアドバイスによって楽器との即興コラボが披露されました。今回の楽器は、ピアノ・フルート・トランペット・パーカッション。どの楽器とどのようなコラボレーションを行うかは事前に知らされず、パフォーマンスを行いながらお互いに刺激され、そこには新たな物語の情景が次々と広がっていきました。

アフタートークでは、参加者から「音楽とコラボすることによって、リズムと音に勝手に心が動き、自分の朗読も自然と変わっていった。言葉を「音」としてとらえるおもしろさを実感できた。今日初めてお会いした方とコラボレーションを行ったが、作品の中で心や気持ちが通じ合った。」と感想がありました。
多和田氏は「昨年からのリピーターの人もいて、作品の世界がどんどん発展していくのを感じた。続けていく楽しさもある」と述べ、高瀬氏は「音と言葉。言葉は音につながり、音は言葉につながっていく。今日のイベントを通して、ジョン・ケージが提言した「偶然」、即ちその場で何ができるのかを体験し、そこには真のおもしろさがある、ということを実感できたのではないか」とお話しされました。

ご出演いただきました多和田様、高瀬様、またご来場いただきました皆様、誠にありがとうございました。
当イベントは来年11月にも開催予定です。詳細は決まり次第「早稲田文化」Webサイトにてお知らせいたします。

問い合わせ

松永美穂研究室 03-5286-3637
早稲田大学文化企画課 03-5272-4783 (月~金 9:00-17:00)

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