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1月17日(土)16:30-18:00実施
「木内昇座談会~ひとつの小説ができるまで~」
当日レポート

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出版社勤務からフリーランスのライター、編集者として活躍した後、2004年に『新選組 幕末の青嵐』で小説家としてデビュー、幕末から昭和の江戸・東京を舞台とした連作『茗荷谷の猫』を経て、2009年に第2回早稲田大学坪内逍遙大賞奨励賞を受賞後、2011年に『漂砂のうたう』で第144回直木賞を受賞、2014年には『櫛挽道守』(くしひきちもり)で第9回中央公論文芸賞、第27回柴田錬三郎賞、第8回親鸞賞を受賞するなど、綿密な歴史考証と人間への深い洞察に基づくドラマ性とで注目を集める気鋭の作家・木内昇さんをお招きし、『櫛挽道守』の担当編集者・伊礼春奈さんとともに座談会を行いました。

コーディネーターの市川真人文学学術院准教授とのやり取りの一部をご紹介します。

report150117_2時代小説の魅力は?
…人間をムラなく真っ直ぐ書くことが出来ることです。一昔前は、職業によって体つきや所作が違ったので、話さなくても動きや体で気持ちが伝わる部分が大きいことも魅力です。
report150117_3登場人物が魅力的ですね
…作者の都合を押し付けないように、作品の登場人物に心の中でインタビューをしながら書いています。
もともと人の生涯を見るのが好きなのですが、最初から最後までその人を年表で見ると、必ず何か「アレッ?」と思う意外性のあることをしています。あまり綺麗に人を纏わないことを心がけています。
挑戦して失敗し、挫折している人が好きです。色々な困難を受け止めている人を書きたいと思っています。
report150117_4本を書く原動力は?
…小説を書くのが本当に楽しいです。小説の世界は、天井が無く、ゴールの無いものと思っています。だからこそ本にする作業は非常に緊張する。伊礼さんはその緊張を汲んで、細やかに仕事をしてくださるので、感謝しています。本は読んだ方が良いですよ。自分の周りにはいない、色々な人の人生に触れられます。語彙が増えると表現の幅が広がって楽しいですし。
report150117_5伊礼さんからから見た木内さんはどんな方?
…本づくりに関して、細部までおろそかにせず全力を注いでくださる方です。たとえば、連載を終えて単行本にまとめる際には、あらためて一言一句を精査して、その人物やそのシーンにとって最もふさわしい表現に辿り着くよう、最後の最後まで、ものすごい集中力で物語に向き合い続けてくださいました。

「将来は野球選手になりたかった」「学生時代はお盆とお正月以外はソフトボールしかしていなかった」「今も息抜きはソフトボール」と意外?な体育会系の一面も見せてくださった木内さん。木内さんから次々と投げ込まれた飾らない豪速球(お話)に、来場者皆が惹きつけられ、随所で笑いが起こるなど、充実の座談会となりました。

座談会後には、書籍ご購入者・ご持参者を対象にサイン会も実施。お疲れの様子も見せず、笑顔でご対応頂きました。
木内さん、伊礼さん、集英社の皆さん、誠にありがとうございました。

早稲田大学では今後もさまざまイベントを開催いたします。
詳しくは早稲田文化ホームページに随時掲載してまいりますので、是非、ご覧ください。

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