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平成22年度 美濃加茂市・早稲田大学 文化交流事業 共催展
「美濃の白隠」展

hakuin白隠慧鶴(はくいんえかく 1685~1768)は「臨済宗中興の祖」といわれる人物で、臨済宗妙心寺派の僧です。貞享2年(1685)駿河国に生まれ、15歳で出家し慧鶴と名付けられました。当時の修行は、各地の禅匠の評判を聞いて訪ねていき、研鑚を積むというものでした。そのような中で、白隠は美濃国の寺を訪れ、その数は静岡に次ぐ多さです。また、妙心寺派の寺院は、東海地方に多く分布します。これは公家の伝領があったことや幕府とかかわりのある地域があったことに関係しているといわれています。

白隠の禅画と墨蹟は独創的な表現で知られ、そのユーモラスな中に禅の教えにふれることができます。大きな画幅に迫力満点に描かれる「達磨図」や笑い顔でユーモラスに描かれる「布袋図」など、当時としては新しく稀有なものでした。これらの禅画や墨蹟は、白隠が各地の寺に招かれ講話をしたときに求められてかかれたものや、お世話になった人にお礼としてかかれたものです。また、庶民層に禅の教えをわかりやすく伝えるために用いられたものでもありました。 白隠は、宝永元年(1704年)にはじめて美濃を訪れます。正徳4年(1714)、30才のときに再び美濃を訪れ、翌年、山之上村(現・美濃加茂市山之上町)にたどり着きます。そこで有徳の士であった鹿野善兵衛(しかの ぜんべえ)に身の回りの世話を受けながら、岩瀧山で毎晩坐禅し修行を行いました。修行は、父の病で駿河の松蔭寺に帰郷するまでの1年9カ月の間続けられました。

美濃加茂市山之上町には国土地理院の地図にも掲載されている「富士山」があり、白隠が修行のときに、岩瀧山から眺めた山といわれています。享保元年(1716)に白隠によって書かれた「濃陽冨士山記」(市指定有形文化財)には、善兵衛から聞いた話として山之上の富士山の由来が記されています。これは白隠の山之上村での修行を裏付けるものです。白隠32歳のときの書で、ヒノキの厚板に墨で一文字一文字整然と書かれ、白隠の墨蹟の中でも独特な表現に至る前の最も早い時期のものとして注目されます。そのほか美濃加茂市内及び岐阜県内などに残る白隠の遺墨の数々を紹介します。

白隠の作品は、ゆかりのある寺や個人によって大切に保管されて今日に伝わりますが、なかには蒐集家によって集められたコレクションとして伝わるものも少なくありません。今回は、早稲田大学會津八一記念博物館富岡重憲コレクションから白隠の作品を紹介します。本コレクションは、日本重化学工業初代社長・故富岡重憲氏が長年にわたり蒐集した東洋陶磁と日本近世禅書画が中心となっています。美術品は、昭和54年から平成15年まで東京都大田区の富岡氏の自宅を改装した富岡美術館において、年4回のコレクション展の中で紹介されてきました。その後、早稲田大学會津八一記念美術館に寄贈され、現在定期的に展示が行われています。

美濃加茂市出身の坪内逍遙、津田左右吉が早稲田大学の大切な先人であることなどから、美濃加茂市は早稲田大学と文化面で交流を続けています。今回の展覧会はその交流事業の一環として両者が協力して開催するものです。

「美濃の白隠」展の概要

会期 2011年2月10日(木)~3月10日(木)
会場 早稲田大学 26号館(大隈記念タワー)10階 125記念展示室
東京都新宿区西早稲田1-6-1
開室時間 10時~18時
閉室日 会期中の日曜日(2月13日、20日、27日、3月6日)。
※2月11日(祝・金)は開室
主催 早稲田大学文化推進部/美濃加茂市民ミュージアム
協力 早稲田大学會津八一記念博物館
関連催事
ギャラリートーク
日時:2011年3月5日(土) 13時~14時
講師:浅井京子(早稲田大学會津八一記念博物館特任教授・本展協力者)
会場:早稲田大学26号館「大隈記念タワー」10階「125記念室」
※参加無料、事前予約不要、直接会場へお越しください。
刊行物 美濃加茂ふるさとファイルNo.15『美濃の白隠』
(A5版、16ページ、オールカラー)
編集・発行:美濃加茂市民ミュージアム・早稲田大学)
価格:200円
販売場所・期間
:成文堂 早稲田正門店(本展会期中) 地図 /
:會津八一記念博物館(3月1日(火)~3月10日(木) 地図
(會津八一記念博物館は2月28日まで休館いたします。ご了承ください。)
お問い合わせ 早稲田大学文化推進部
電話:03-5272-4783(内線79-2348)/FAX:03-5272-4784
受付時間:月~金曜日の10時~17時。
冬季休業期間2010年12月29日(水)~2011年1月5日(水)
交通案内 「早稲田大学文化」ウェブサイト内「交通アクセス」
アクセス

※本展チラシのダウンロード:表面(466KB)/裏面(928KB)
※本展出品リストのダウンロード:出品リスト(79KB)

巡回展 本展は、美濃加茂市と本学との文化交流の一環として行われ、先に美濃加茂市民ミュージアムにて開催いたします(2010年12月11日~2011年2月2日)。

【プレスの方へ】本展プレス専用のページへ(クリックで移動)

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