二言語で創作する作家多和田葉子とヨーロッパのジャズシーンを牽引する高瀬アキ。ベルリンを拠点に息の合った活動を続ける二人による本イベントは、今回で14回目となります。「古今和歌集」を題材、テーマに制作したオリジナル創作をオンラインで広くお届けします。(配信終了予定:2024年3月末)
多和田葉子・高瀬アキ パフォーマンス『古今和歌集より』
解説
ベルリン在住の作家多和田葉子さんとピアニスト高瀬アキさんによる朗読と音楽の早稲田大学でのパフォーマンスは、今年度はオンライン配信の形になりました。テーマは「古今和歌集」です。古今和歌集は日本最初の勅撰和歌集であり、いまから約1100年前の平安時代に編まれたものです。全20巻のうち最初の6巻では春夏秋冬がテーマに選ばれていますが、今回のパフォーマンスでは実際の和歌を引用しつつ、話は「プラハの春」や「ドイツの秋」などの現代史のトピックに飛んだり、パウル・ツェランの詩集「雪の領域」への言及があったりします。また、古今和歌集の言葉使いや文法に触れたかと思えば、和歌をドイツ語に翻訳し、それをまた日本語に訳し戻すという実験的な試みが行われたりもします。クラシックやジャズ、日本の唱歌、和歌をドイツ語訳したものに高瀬さんがメロディーをつけた歌曲など、音楽と文学の世界が縦横無尽に絡み合い、言葉遊びあり、現代社会への鋭い批判ありの、奥深い舞台となっています。ぜひお楽しみください。
(文学学術院・松永美穂)
出演
多和田 葉子
早稲田大学卒業。詩人・小説家。日本では芥川賞・谷崎潤一郎賞、早稲田大学坪内逍遙大賞、ドイツではゲーテメダル、クライスト賞をはじめとした数々の文学賞を受賞するなど、日独両国で精力的に活躍している。2018年全米図書賞受賞。
高瀬 アキ
ヨーロッパやアメリカをはじめとし世界各地で演奏活動している音楽家。ジャズ、即興音楽を中心としたパフォーマンスは国際的に高く評価され、現在ではコンテンポラリージャズの第一人者としてその名を広く知られている。2018年ベルリン・ジャズ賞受賞。2021年度ドイツジャズ賞(ピアノ部門)(Deutscher Jazz Preis)、2021年度アルバートーマンゲルスドルフ賞 (Albert-Mangelsdorff Preis) 。
問い合わせ
松永美穂研究室 03-5286-3637
早稲田大学文化企画課 03-5272-4783 (平日 11:00-15:00)
主催
早稲田大学文化企画課
スーパーグローバル大学創成支援事業 早稲田大学国際日本学拠点
早稲田大学文化構想学部 文芸・ジャーナリズム論系 松永美穂研究室