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第8回 早稲田大学・美濃加茂市文化交流事業 学生演劇公演 実施レポート

  1. 美濃加茂滞在日記
  2. お客様アンケート(抜粋)
  3. 参加学生の声(抜粋)

美濃加茂滞在日記

9月1日(火)

2015_report01学生たちは文化の森に到着後、みのかも文化の森/美濃加茂市民ミュージアムを見学。学芸員の村瀬氏による美濃加茂の歴史や文化の解説を伺ったほか、坪内逍遙や津田左右吉など、美濃加茂と早稲田大学に縁の人物について学習した。

夜からは舞台となる芝生広場を使って稽古をし、役者の学生たちが実際の舞台での雰囲気をつかんだ。

9月2日(水)

本日は地元の加茂高校の文化祭を見学。13:40からの演劇部の公演「修学旅行」を観劇。高校生にとって身近なテーマを時に等身大かつシリアスに、時にデフォルメされたコメディータッチに表現した作品を、学生たちは興味深く見ていた。終演後、演じた生徒のみなさんに感想をのべ、記念写真も撮影した。

夕方からは実際に舞台セットを組んでの稽古。芝生の上に机、脚立、ビニール傘、プロペラなどをコラージュして非現実の空間を作り上げ、照明や音響のチェックも行った。
今年の演出は役者が舞台を走り回る場面が多く、夜露にぬれた芝生での演技に慣れるまでしばらくかかったようだったが、学生達は和気藹々とした雰囲気の中、本番に向けて動きを作り込んでいた。

9月3日(木)

午前中から芝生広場を利用した立ち稽古を行った。午後からはエントランスホールを借りてセットを組み、雨天時を想定した室内演出の確認を行った。照明や音響機材を本番と同じようにセッティングし、稽古を行う学生たちを見て、文化の森を訪れた来館者の方々も興味が湧いたようだった。

閉館後には、エントランスホールにて本番と同じ衣装を着て、室内上演の演技や動線の確認を行った。

9月4日(金)

2015_report0420時より、野外での本番と同じセットでリハーサルを開始。広々とした芝生広場で明るい照明の中を所狭しと駆け回る今回の劇は、これまでの深々とした雰囲気の幻想的な劇とは趣が異なり、学生らしい勢いに満ちている。主宰の岡本君の語った「観客が目で汗をかく演劇」が、本番を目の前にして組み上げられた。

9月5日(土)

本番初日は、天気に恵まれ野外での公演。

登場人物それぞれの、ばらばらになったひと夏の記憶や記録を戯曲に見立て、それをめぐって登場人物達の立場や関係が絡まり合い、自転車で疾走するようにラストまで一気に駆け抜ける舞台。「美濃加茂市」「文化ミュージアムでの演劇」「坪内博士」など、現実とリンクするキーワードをメタ的に取り入れ、観客の興味をそそった。
ラストでは一転、夕日を思わせる照明が夏の終わりを感じさせ、秋の近づく9月の美濃加茂にマッチした幕引きだった。

9月6日(日)

二日目はあいにくの雨のため、エントランスホールでの上演。

本事業をモデルとした入れ子構造を基礎としたこの作品中の、「この時期の美濃加茂の演劇では毎年雨が降る」という台詞が現実のものとなってしまったが、屋外とはまた違った雰囲気を味わえた。

学生達は美濃加茂最後の舞台を全力で走りきった。

9月7日(月)

滞在最終日は学習旅行。

学習旅行は、坪内逍遙、地域交流をキーワードに組み立てられており、今年度は逍遙顕彰会との懇親会→「山つばきの部屋」・逍遙公園見学→中山道太田宿の散策、を行った。

逍遙生誕地には,現在美濃加茂市立太田小学校があり、校内には逍遙の業績や美濃加茂での顕彰活動の取り組みを紹介する「山つばきの部屋」や、顕彰碑のある逍遙公園がある。また、逍遙生誕地区の市民を中心に「坪内逍遙博士顕彰会」が結成され、逍遙を顕彰する活動も行っている。

短い時間だったが、美濃加茂という土地を知るきっかけとなる学習旅行だった。

 

お客様アンケート(抜粋)

  • とてもよかったです。外でやる意味がすごくあった。照明に飛んでくる虫まで演出のように見えました。ありがとうございました。
  • 生の演劇は本当に迫力があり、体全体で表現してあり感動しました。若さっていいですね。わざわざ遠くから来て下さってありがとう!
  • 野外ならではの自転車が駆け抜けるところが素晴らしいアクセントになっていた。今宵野外で駆け抜けていった夏の郷愁、憧憬、痛みを存分に楽しんだ。若さはじける体当たりの演技をありがとう。貴方達は夏そのものです。
  • 野外と室内の両方の設営、演出を考えるのは大変でしたね。照明と芝生広場の使い方とてもステキでした。“真夏の夜の夢”?と思ったり、なんだろう、うまくいえないけどデジャブのように感じることあるなぁって。みんな声がとってもきこえました。汗だくおつかれさまでした。
  • 舞台の外、客席を含む外側が書き換わるようなそのような劇でした。開演前のまだ夏の感覚が残る夕方から一旦離れて、終演後、元の現実に戻る時には涼しさが増した秋の夜になっている、それをもって夏が終わる、そんな感覚でした。
  • 秋の夜、野外での公演とてもすばらしかったです。観に来て良かったです。元気をいただけた気がしました。

 

参加学生の声(抜粋)

  • 「大学」や「東京」、あるいは「劇場」という枠から出て、枠の外側から再度、日常の演劇活動を捉えなおすという計画から公演を行い、一定の成果を得たと考えている。「地方」と「東京」、「作り手」と「観客」、「演劇関係者」と「そうでない人」という対立する関係、線を、公演(作品はもちろんのこと、その広報や感想といった付随する要素も含めて)を通じて外から見るという点において、座組と市民の方が相互的に、自らの知らないものをと知っているものを観察する機会となっている。この文化交流事業の意義は、このような相互的な気付きにあるのだと考えた。
  • 大学の交流事業として、このように美濃加茂を体感し、地元の方とコミュニケーションをとり、それらの体験を作品作りに取り入れて皆様の前で上演する機会をいただけたことは非常にありがたいことであり、演劇をこれから続けていくとしても、何度も経験できることではないと感じた。また、美濃加茂文化の森での演劇公演の形は、本企画が6年続いている現在からでもまだ無数に創意工夫を凝らすことができ、これからも今までの本企画公演とは異なった、新しい演劇公演を行うことが可能であると確信しているので、より多くの学生が企画に参加し、この非常に貴重な創作を体験することができるよう、これからも本企画が続いていくことを願う。
  • 自分自身、この企画に参加する前は野外演劇をする事や文化交流という企画自体に多少ながら消極的であり、果たして有意義な公演になるのだろうかという疑問がありました。しかし実際に美濃加茂に行ってみると、きれいな空気の中広大な芝生の上で芝居をするのは開放的でとても気持ちがよく、普段早稲田の地下にいる身としては貴重な経験となりました。
  • このような事業は他大学、少なくとも国立大学はあまり行っていないように思われる。大学が主導して学生を支援するタイプの事業は、多くの場合、大学側がコンセプトやプログラムを設定して、学生をある種啓蒙するものであり、今回のように学生の自主的な活動を延長する形でバックアップしてくれる、いわば敷居の低いサービスは珍しいのではないか。どちらがより優れているという訳ではないが、学生にとっては貴重な機会なので、今後とも継続してほしいと思った。
  • 坪内逍遙博士の生まれた地ということで、早稲田大学との結びつきが強いことも理解でき、大学も美濃加茂の方々もそういった結びつきを大切にされているという姿勢に深く感動いたしました。また、東京と岐阜という離れた場所に住む人々が交流を持つことができるという点でもとても意味のある事業であると思います。そして、早稲田大学で演劇をしている学生たちにとっても、普段の公演とは異なる環境・場所で作品づくりをするという経験はかなり刺激的であったと思います。是非来年度以降も長く続いてほしいですし、こういった素晴らしい機会を与えてくださった方々に心から感謝しています。
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