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第6回 早稲田大学・美濃加茂市文化交流事業 学生演劇公演 実施レポート

  1. 美濃加茂滞在日記
  2. お客様アンケート(抜粋)
  3. 参加学生の声(抜粋)
  4. 早稲田ウィークリー2013年10月28日号「自然の中で演劇を通して人と関わる」

 

美濃加茂滞在日記

9月3日(火)2013_report01
深夜バスにて出発した劇団森13名は、長旅の末、昼過ぎにみのかも文化の森/美濃加茂市民ミュージアムに到着しました。
文化の森の常設展示室には、美濃加茂の歴史に関する展示のほか、坪内逍遙、津田左右吉に関する展示もあります。学芸員でもある村瀬係長に、美濃加茂市の最近の話題をご紹介いただいた後、展示室を見学しながら美濃加茂市と坪内逍遙についてのレクチャーをしていただきました。毎年学生に好評の名物レクチャーとなっています。

レクチャーの後は、近所の大型スーパーへ、食材と生活用品の買い出しに行きました。これから学生達は文化の森の宿泊棟で自炊しながら6泊7日の共同生活なので、食事や洗濯など生活面も大事です。学生達は家事サポート担当も配備し準備万坦。皆で協力しながらの美濃加茂生活がスタートしました。

 

9月4日(水)
2011年より、文化交流の一環として、美濃加茂市滞在中に、早大生が県立加茂高校で高校生に演劇ワークショップを実施しています。この日は加茂高校の学園祭2日目だったため、午前中に早大生2名が学園祭の演劇を鑑賞しました。午後は、早大生から午前中に観た演劇についての講評をした後、高校生10名と2時間のワークショップを実施しました。高校生の瑞々しい感性に、大学生も大いに刺激を受けていました。
ワークショップの様子は以下、美濃加茂市ホームページに掲載されています。
みのかも取材日記 「早稲田大学学生劇団ワークショップ」

 

9月5日(木)
稽古も佳境に入ってきました。日中の芝生広場は、かなりの暑さですが、頑張って稽古。照明、音響班の学生は、機材の準備、工夫に余念がありません。野外公演では照明、音響設備がないうえ、雨の場合に備え野外と室内2通りの演出を準備するなど、技術面の苦労も多いのです。
本番は夜公演なので、照明付の練習は、日が暮れてからになります。学生達は毎日夜22時近くまで稽古し、屋外に置いた機材を室内に戻した後、宿舎でミーティング。正に演劇漬けの日々です。

 

9月6日(金)2013_report02
12:15-13:20 地元のラジオ局FMららの「地元情報バラエティ みのかもっと!」に、劇団森メンバー4名が約20分間生出演し、公演の宣伝をしました。
FMららは、2012年に開局した、岐阜県美濃加茂市、可児市、御嵩町中心に配信されるローカルラジオで、劇団森の出演は2012年に続き2回目です。
パーソナリティの宮田大樹さん、小森大悟さんの明るい進行で、学生達は公演への意気込みや美濃加茂への思いなどを語り、大いに盛り上がりました。
収録内容の詳細はFMららホームページのブログをご覧ください。ポッドキャストにて音声を聴くこともできます。

週末は雨との予報に不安が募る中、夜に最後のゲネプロ(通し稽古)を行いました。もしかしたら、これが最初で最後の野外公演になるかもしれない・・・という思いで、本番さながらに演じました。

週末は雨との予報に不安が募る中、夜に最後のゲネプロ(通し稽古)を行いました。もしかしたら、これが最初で最後の野外公演になるかもしれない・・・という思いで、本番さながらに演じました。

演出家は遅くまで演出に頭を悩ませました。

演出家は遅くまで演出に頭を悩ませました。

照明班、音響班も、頑張りました。

照明班、音響班も、頑張りました。

 

 

9月7日(土)
野外でできるかと思いきや、3時頃に雨が降り始めました。野外に設置していた機材を慌てて屋内に移動し、エントランスホールでの上演に変更しました。
上演直前に雨は止んでしまいました。学生達にとって野外でできなかったのは残念でしたが、室内独自の演出により、ガラス越しに広がる森を背景にした、美しい公演となりました。

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美濃加茂市の藤井市長、日比野教育長、伊藤市民協働部長が観覧に来てくださいました。写真(右)は上演後、藤井市長より学生達に感想と激励のお言葉をいただいているところです。藤井市長からは新鮮な梨の差し入れまでいただきました。市長には2012年度、市長に就任される前にも公演にお越しいただいております。若い市長に学生達は大いに刺激を受けていました。

 

9月8日(日)
雨が止み、念願の野外公演ができました。学生達は持てる力を十分に発揮し、会場からは温かい拍手が贈られました。照明も細部まで工夫され、夜の森が幻想的な空間に生まれ変わりました。
公演の様子は以下、美濃加茂市ホームページに掲載されています。
みのかも取材日記 「早稲田大学の学生劇団がみのかも文化の森で公演」

 

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沢山の風鈴を取り付けた木と木の間を、少女が通り抜けて森の中へ消えていくラストシーンの美しさは圧巻。文化の森の野外だからこそできる演出です。 お客様からは温かい拍手をいただき、沢山の方が熱心にアンケートを書いてくださいました。

沢山の風鈴を取り付けた木と木の間を、少女が通り抜けて森の中へ消えていくラストシーンの美しさは圧巻。文化の森の野外だからこそできる演出です。
お客様からは温かい拍手をいただき、沢山の方が熱心にアンケートを書いてくださいました。

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9月9日(月)2013_report13
午前中、「昭和銭湯里山の湯」で、1週間ぶりに湯船に入り、公演の疲れを癒しました。
その後、村瀬係長の案内で「逍遙公園」を見学しました。逍遙の生家のあった美濃加茂市立太田小学校校庭の一角は「逍遙公園」と呼ばれ、逍遙の顕彰碑(写真参照)が建てられています。
この日は惜しくも耐震工事中で入れませんでしたが、太田小学校には「逍遙山椿の部屋」があり、中には逍遙に関する資料や美濃加茂市坪内逍遙大賞受賞者の資料が展示されています。

午後は坪内逍遙博士顕彰会の皆様と、中山道の「魚重」にて美味しい昼食をいただきました。坪内逍遙博士顕彰会は逍遙の遺徳と業績、郷土文化の発展に寄与することを目的として1956年に発足し、文化の森内に事務局があります。会報の発行、逍遙の生誕日・命日の記念事業、逍遙展、逍遙訳シェークスピア作品の上演等の顕彰活動を行っています。
昼食会では顕彰会の皆様の若い頃のお話、美濃加茂市における演劇の実情など、ここでしか聞けない興味深いお話を聞かせていただき、美濃加茂への理解と愛着が一段と深まりました。
最後は中山道太田宿(なかせんどうおおたじゅく)の自由行動をしました。太田宿は中山道五十一次の宿場町として栄え、現在も江戸時代の面影を残しています。古く趣のある町並みは、散策しているだけでも楽しめました。清酒「御代桜」が有名な、明治26年創業「御代桜醸造」さんの酒蔵も特別に見学させていただきました。
夕方、美濃太田駅にて解散。あっという間の6泊7日でした。
美濃加茂で出会った多くの方々に支えられての、充実した滞在となりました。

 

お客様アンケート(抜粋)

  • 今までに見てきた演劇とは全くタイプが異なり不思議な世界観に引き込まれました。
  • 多分、時間の経過と共に思い出す演技と思う。
  • スタートは話の内容が難しかったけど、皆一生懸命演じていて、感動しました。
  • 真摯な熱演、胸を打ちました。又来演してください。
  • 全体を澄み渡った青や緑で統一された演出で、観ていてとても心地よかったです。
  • 美濃加茂市との交流については今後も継続し向上させていきたいものです。上演は毎年楽しみにしています。
  • 内容を理解するために必死でした。良くわからない中にも迫ってくる何かを感じました。とても良かったです。頑張って続けていってください。
  • 真剣に取り組む姿、美しく感動した。若々しい演技良い。
  • 今回初めて見て、こんなスタイルのものがあると知ってビックリした。
  • 今日初めて見に来ました。あっと言う間の1時間でした。素晴らしかったです。
  • 森の雰囲気がすごく良かったです。これからも頑張って下さい。
  • 風景を思い切り楽しみつつ、鑑賞させて頂きました。また来年も楽しみにしています。
  • 学生らしい、みずみずしい感性を感じました。ペレストロイカという意味も伝わりました。
    森という舞台をうまく使っていらっしゃると思います。ありがとうございます。素敵でした。
  • 想像力を掻き立てられました。木と木の間を抜けていくところが良かったです。
  • 言葉の選び、セリフ回し、演出た雰囲気がとても良かったです。野外のステージと物語とがマッチしていて幻想的な世界観が良かったです。
  • このような公演はあまり見ないので、初めは良く分からなかった。しかし、繰り返されて別れて柔らかに再構築されていく様子はとても心地よく感じた。

 

参加学生の声(抜粋)

【全般】

  • 早稲田大学は小劇場の演劇の面がやはり強いかもしれないが、そのようなサークル出身者にとっても、地方での滞在制作、そして野外公演というのは魅力的、かつ刺激的な場である。是非後輩たちにもこの事業に参加し、演劇や空間、人との交流への感性を高めていって欲しい。たくさんの人に支えられている企画だからこそ、人との繋がりを実感することが出来ると思う。そして、今後もこの交流事業の継続と発展を切に願っている。
  • 自分は演劇サークル所属とはいっても坪内逍遙の戯曲はおろか小説も読んだことがなく、もちろん坪内逍遙のこともまったくといっていいほど知らなかったので、こういう機会を設けていただいて演技の面だけでなく逍遙についてや他の様々なことを学ぶきっかけをいただけたのは大変ラッキーだったと思う。このような取り組みは今後もさらに深めていってほしい。
  • 美濃加茂文化の森の豊かな環境の中で、のびのびと生活できた。リラックスしつつも稽古に集中することができる、とても贅沢な環境だった。自炊することで食事の時間を自分たちでコントロールできるためよかった。
  • 夏期休業期間のうち、美濃加茂で過ごすこの一週間は、学生としても、劇団としても、とても有意義な時間だった。役者として今回の事業に関わり、いつもと違う環境での稽古と公演は新鮮だった。室内と野外と両方で上演したが、やはり野外での公演がよかった。風や虫の声、美濃加茂の大地を感じながら演じることができて幸せだった。
  • 学生側からしたら自然の中でお芝居ができる貴重な機会であり、みのかもの方々も本当に優しくありがたかった。私はこれに出演したくてこのサークルに入ったという理由もあり参加できたことをとても感動している。


【高校生へのワークショップについて】

  • 高校生達ははじめは自由に想像し表現することに戸惑っていた様子。しかし、どんなものでも「いいね」というスタンスでいこう!という空気が場をあたたかくし、次第に個性を発揮していく高校生たちの姿は見ていて微笑ましかった。一緒にやっていてこちらも驚かされるような、個性的な発想力が面白かった。また、今年はWSに参加した高校生たちが約10人も公演を見に来てくれて嬉しかった。皆一様に難しかったと言っていたが、自分たちのやっているものとは違うものが見られてよかったと言ってくれた子も多く、彼らの中に何かを残すことができたのならば幸いだ。
  • 私たちのWSに取り組む姿勢は真剣でとてもやりがいがあった。また,高校生の発想には驚かされた。
  • WSは私たちにとっても良い経験で、勉強になり、楽しかった。最後の短い作品をつくるという項目を2チームで分かれて発表し、全く真逆のような作品が出てきて驚いた。

 

早稲田ウィークリー2013年10月28日号「早大生が行く!」
「自然の中で演劇を通して人と関わる」】

今回の公演を作・演出した、主宰の森田和人さんによる文章が、早稲田ウィークリーに掲載されました。→http://www.wasedaweekly.jp/detail.php?item=894

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