2023年度の科学系の課外講義である「これがサイエンスだ!」が始まりました。
4月28日(金)には、数学科教諭・太田洋平先生による第1回講義「8元数の構成とその代数的住処」が実施されました。
この講義では4元数(積が非可換)や8元数(積が非可換でかつ非結合的)といった多元数の具体的な構成方法が紹介され、参加者はその方法を用いて、4元数や8元数の積の演算表を作成しました。また、これらの代数がある数学的な枠組みの中では、積が可換で結合的な代数の類似とみなせることが紹介されました。
参加した生徒からは「新しく定義したものにも意外と法則や秩序があるのが面白かった」や「四元数を自分で作り出したときが気持ち良かった!!」といった感想が寄せられました。
5月23日(月)には、数学科教諭・成瀬政光先生による第2回講義「数学はいきものだ!-数学を分析するということ-」が実施されました。
この講義では、数学とはどのような営みかを考えることを出発点として、歴史的にこれまでの数学を覆すような例として「非ユークリッド幾何学」のあらましが紹介されました。また、こうした数学上の転機から数学をどのようにとらえるかを数理哲学の考え方やそれに基づいたフランスの数学教育学の中の「数学はいきものである」という一つの考え方を紹介されました。
参加した生徒からは「定義が数学をする人の条件によって変わる、と言う視点がなかったので面白かったです」や「実際の数学の定義と学校数学の乖離というのは今までも疑問に思っていたので、それを研究する学問があることを知ってとても興味を持ちました」といった感想が寄せられました。また、教育学にも触れることから、多くの教員の参加もありました。
今年度も、およそ1か月に1回のペースで、本学院の教員による科学系課外講義を実施してまいります。
(数学科のゆるキャラ「ますぽん」を数学に見立てて説明しました)