Waseda University Honjo Senior High School早稲田大学 本庄高等学院

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奥・井ノ上記念日本青少年国連訪問団レポート

3年C組佐々木結さんが奥・井ノ上記念日本青少年国連訪問団の一員として、この3月にニューヨークの国連本部を訪問しました。佐々木さんは、4月8日に実施した「国際交流へのいざない」でもパネラーとして校内だけでなく校外のプログラムに目を向けることの必要性について報告しました。このたび、以下の文章を寄稿してくださいました。皆さんが国際交流考える上での参考にしてください。


〜奥・井ノ上記念日本青少年国連訪問団に参加して〜

みなさんこんにちは!3年の佐々木結です。私は先月3/26~4/1まで、上記の国連訪問団の一員としてニューヨークに渡航させていただきました。これは「高校生の主張コンクール」で特賞を受賞した高校生4人と、中学生の部の受賞者4人が渡米する、外務省主催の研修です。ここではNYで得られた貴重な体験を少しでもお伝えできたら幸いです。

日本国連協会・外務省表敬訪問

渡米前に国連協会と外務省を訪問しました。

国連協会では根本香局長を伺い、ウクライナ侵攻に対する国連の対応や難民支援の実体験、今が未来の「分水嶺」であるとのお話を賜りました。日本は様々な苦難・災害を乗り越えてきた経験があり、私たちが思っている以上に、世界から尊敬されている国だとおっしゃっていました。

外務省では今福大使から、外務省には女性職員が多いこと、外交官として意識していることなどを伺いました。国家間の話し合いはすぐに解決しないから、いかに辛抱強くいられるかが大切というお話が印象的でした。

国連本部視察

英語のツアーに参加し、自分の目で総会や安保理の会議場を見られたことが感激でした!経済社会理事会は実際に会議をやっていて、オンラインで専門家の方が大画面に映し出されていました。

原爆に関する展示室には長崎で被爆した聖アグネス像がありました。大きな石像が焼きただれていて、改めて原爆の恐ろしさを感じました。

UNICEF訪問

日本人職員の大久保さんを訪問し、ご自身のキャリアや途上国の子どもの実態などについて伺いました。大久保さんは大学生のときにインターンで行ったバングラデッシュの子どもたちの姿が忘れられないとおっしゃっていました。彼らは明け方に起きて缶を拾ってお金にし、そのお金でバスに乗って学校に来るため、学びに対するエネルギーに溢れているそうです。また、障害がある途上国の子どもはいじめにも遭いやすく、二重の苦難を強いられている状況で、国際社会の援助が急務だと知ることができました。

イラク政府代表部訪問

国連のイラク政府代表部の大使から、イラクの国内状況についてお話を伺いました。

気候変動の影響でイラクは深刻な水不足に悩まされており、砂漠化が進行して水資源が危機的状況です。ISISによる油田や遺産の破壊によって国家の財政も厳しく、国内避難民は増え続けています。

このような窮境に苛まれる姿ともに、大使はイラクの文化的豊かさについても強調してくださいました。イラクはメソポタミア文明の起源地で、ギター、初期の電池、パンとスープなど多くのものがイラクで最初に発明されました。歴史的遺産に囲まれていますが、その遺産も破壊されており、世界中の学者が損失を嘆いているそうです。

アメリカ政府代表部訪問

安保理委員の方とECOSOC委員の方に、北朝鮮の国民への支援方法や核軍縮について質問しました。北朝鮮に関しては、国連がNGOなど第三者の力を借りて国民への物的支援を模索しており、支援の協定を北朝鮮政府が承認するかが問題だとおっしゃっていました。

長崎県出身のメンバーから核兵器の保持に関するアメリカの方針について質問が飛ぶと、「核兵器は抑止力として必要」という返答を真っ先にいただきました。核軍縮に向けた取り組みは進めるが、核の廃絶は考えていない印象を受けました。平和の最前線にいる国連本部の方々がそうおっしゃったことに驚きましたが、アメリカはやはり「原爆で戦争を終わらせた」という認識が根強いのかな、と日本人メンバーで話しました。いずれにせよ、日本とアメリカの核兵器に対する考え方の違いを実感しました。

日本人国連職員の方との懇談会

国連人口基金やテロ対策室、国連女性機関の本部で働く日本人職員の方のキャリアや日本に対する思いについてお話を伺いました。国連に入る前に日本で助産師をしていたり、防衛省に勤めていたりと、多種多様なキャリアがあることに驚きました。同時に、国連で働くには何かしらの専門知識が必要で、即戦力のある人材が求められることが分かりました。

日本の問題点について質問すると、「日本はいい国すぎる」との興味深い返答をいただきました。日本は生活水準が高く、教育システムも整備されており、「なんとなく」大人になれてしまう。いわばぬるま湯のような所だとおっしゃっていました。だから一度日本を出て、海外から客観視することで自分が進むべき道が見えるかも、と教えてくださいました。みなさん全員、「日本は大好きだが、一回日本を離れることは必須」という考えをお持ちでした。

石兼特命全権大使訪問

国連における日本政府のトップである石兼大使を伺いました。お話の中では、石兼大使の同僚(海外の大使)は女性が多く、日本はジェンダー平等の面で非常に遅れをとっていることを日々実感されているそうです。ジェンダー問題はバランス論だけでなく、いかに女性の視点が大切かを全員が理解する必要があるとおっしゃっていました。

現在、世界には抱えきれないほどの問題がありますが、「対話のチャンネルを保つこと」が最も大切だとお聞きしました。

今回の研修では本当に宝物のような貴重な時間を過ごすことができました。この経験を記憶に留めず、世界に活かせるように頑張ります!読んでくださりありがとうございました!

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