Waseda Weekly早稲田ウィークリー

特集

草創期の偉人たちに思いをはせる街歩き~護国寺、谷中霊園、染井霊園~

【2022年度創立記念特集】

早稲田大学の創設者である大隈重信のお墓は、早稲田キャンパスからほど近い護国寺(文京区大塚)にあります。また、建学の母といわれる小野梓は桜の名所でもある谷中霊園(台東区谷中)に、初代学長で第3代総長の高田早苗、第3代学長の平沼淑郎、第4代学長で第2代総長の塩澤昌貞らは染井霊園(豊島区駒込)に眠っており、すべて大学から半径5km圏内に所在しています。今回は、WASEDA BEAR(以下、ワセダベア)と共に早稲田大学草創期の偉人たちに思いをはせながら、これらの墓所を巡る街歩きプランをご紹介します。涼しくなってきたこの季節、友人などと一緒に出掛けてみませんか?

(参考)早稲田大学 歴代校長・歴代学長・歴代総長

(クリックして拡大)

ワセダベアと巡る! ルート紹介

ワセダベア

今回紹介するのはこのルート! 大隈重信のお墓は大学から歩いて行けるところにあるよ。

※( )内は移動時間の目安。各ルートをクリックして詳細な説明へ。
ルートA 早稲田大学~ホテル椿山(ちんざん)荘東京~護国寺(徒歩約25分)

早稲田大学正門から神田川を越えホテル椿山荘東京へ。庭園観賞の後、護国寺へ。

ルートB 護国寺駅~日暮里駅~谷中霊園~谷中銀座商店街(徒歩約15分、乗車17分)

護国寺の目の前にある東京メトロ有楽町線の護国寺駅から池袋に出て、JR山手線で日暮里駅へ。谷中霊園でお参り後、近くの谷中銀座商店街を散策。

ルートC 日暮里駅~巣鴨駅~染井霊園~巣鴨地蔵通り商店街(徒歩約13分、乗車7分)

JR山手線で日暮里駅から巣鴨駅まで戻り、染井霊園へ。お参り後、近くの巣鴨地蔵通り商店街を散策。

ルートD 東京さくらトラム(都電荒川線)庚申塚(こうしんづか)停留場~早稲田停留場(乗車19分)

巣鴨地蔵通り商店街を通り抜けると、東京さくらトラム(都電荒川線)の庚申塚停留場。風情ある路面電車に揺られ、終点の早稲田停留場へ。

ルートA(MAP①~④) 早稲田大学~ホテル椿山荘東京~護国寺
-早稲田大学創設者・大隈重信の墓所、護国寺-

①早稲田大学正門から出発! 大隈庭園を右手に見ながら進むと新目白通りに出ます。そのまま直進すると前方に神田川と②「ホテル椿山荘東京」(隣の「肥後細川庭園」も)が見えます。ここまでたったの徒歩5分。「駒塚橋」を渡ると目の前に現れたのは階段がそびえる「胸突坂(むなつきざか)」。若き内田百閒(ひゃっけん)がワイワイ仲間と登った急な坂を登り、「関口芭蕉庵」や「永青文庫」の木々をくぐり抜け目白通りへ。右手に曲がって少し行くと、ホテル椿山荘東京の正面入口が見えます(※庭園はホテルの営業施設利用者のみに開放)。

ホテル椿山荘東京の庭園(9月中旬撮影)。11月中旬~12月上旬には素晴らしい紅葉が見られる

ホテル椿山荘東京を出て正面方向に進み、坂を下り首都高速道路の高架をくぐると「音羽通り」に出ます。通り沿いにある③「群林堂」で名物の豆大福をほおばりつつ、散歩の疲れを癒やすのがおすすめ。道の先にはお目当ての④「護国寺」。江戸幕府5代将軍徳川綱吉が建立し江戸の面影を今に伝えるお寺で、大隈重信の墓所です。早稲田大学の創設者で、また総理大臣や外務大臣、内務大臣などを歴任した政治家でもあります。英語が堪能で商売人として活躍し、鉄道の敷設、太陽暦の導入、郵便制度の整備、富岡製糸場の設立など、多くの事業に携わり、日本の近代化の基礎を築きました。

大隈重信って結局何者? 我が輩のことをもっと知ってほしいのである


護国寺の表門「仁王門」をくぐり階段を上ると観音堂(本堂)があります。その右手にあるのが大隈重信のお墓です。閂(かんぬき)付きの立派な扉を開いてお参りします(お参りを終えたら閂を戻すのを忘れずに)。なお、大隈重信の菩提(ぼだい)寺は故郷の佐賀県佐賀市にある龍泰寺です。※菩提寺:先祖代々のお墓があるお寺

写真左:護国寺の表門である「仁王門」。この先の階段を上ると観音堂(本堂)がある
写真右:本堂に向かって右側に大隈重信の墓がある。普段は机はなく、扉も閉まっているが閂をはずして中に入ることができる

ワセダベア

皇族専用の墓地である豊島ヶ岡御陵に隣接していることや、三条実美の墓所が護国寺に定められたことから、大隈家も護国寺に墓所を求めたと考えられているよ。

 

ルートB(MAP⑤~⑪) 護国寺~日暮里駅~谷中霊園~谷中銀座商店街
- “建学の母” 小野梓が眠る、中央園路の桜並木が見事な谷中霊園-

東京メトロ有楽町線・護国寺駅から池袋駅へ。JR山手線に乗り換え、日暮里駅で下車し、南改札口を出ると⑤「谷中霊園」までは歩いてすぐ。桜の季節には美しい桜並木が見られる名所です。ここには“建学の母”といわれる小野梓のお墓(NO.11 甲6号10側)があります。小野梓は親友であった大隈重信を助け、早稲田大学の前身である東京専門学校創設の中心者となりました。開校演説では、“国民精神の独立”と“学問の独立”を述べ個人そして国の発展を目指す情熱を示しました。その心は早稲田大学の建学理念・精神に反映され、今も受け継がれています。

小野梓の開校演説-創立記念コラム-

写真左:谷中霊園の中央園路「さくら通り」。春には見事な桜並木になる
写真右:お墓には小野梓の功績が顕彰されている

ワセダベア

谷中霊園には、小野梓のほか、鳩山一郎、横山大観、渋沢栄一、徳川慶喜ら、数多くの歴史的人物や著名人のお墓もあるよ。

谷中は猫の街としても知られる

お参りを終えたら一度日暮里駅へ戻り、駅を背に「御殿坂」を進むと見えてくるのは⑥「夕やけだんだんと呼ばれる階段。その手前右手にあるインド料理レストラン⑦「ダージリンは、インド・ラージャスターン州の調度品が並ぶレストラン。オーナーの美意識が細部まで感じられます。「夕やけだんだん」の手前で⑧「谷中銀座カヌレ パパンのもちもちカヌレをかじってフランスの風を感じます。階段を下ると下町レトロな雰囲気がたまらない⑨「谷中銀座商店街」が目前に。裏路地に面した古民家カフェ⑩「TAYORIでゆっくり過ごすのも谷中らしい時間を楽しめます。商店街のすぐそばにある⑪「ひみつ堂は冬でも行列が絶えないかき氷の名店!

写真左:夕やけだんだん。階段の奥に谷中銀座商店街が見える
写真右:谷中銀座商店街。下町の郷愁漂う小さな商店街

インド料理レストラン「ダージリン」。きらびやかな調度品が並ぶ

ルートC(MAP⑫~⑱) 日暮里駅~巣鴨駅~染井霊園~巣鴨地蔵通り商店街
-桜の古木が点在、草創期の学長や総長が眠る染井霊園-

JR山手線に乗り巣鴨駅へ。この辺りは三菱財閥の岩崎家が分譲した土地で、今も大きなお屋敷があるエリアです。少し歩くと、⑫「染井霊園」の入り口が。左手の管理事務所で地図をゲット。都心にありながら静寂なたたずまいのこちらも桜の名所で、この辺りの昔の地名「染井村」で開発されたソメイヨシノの故郷でもあります。「染井霊園」に眠るのは、初代学長で第3代総長の高田早苗、第3代学長の平沼淑郎、第4代学長で第2代総長の塩沢昌貞

写真左:染井霊園入口。左手に管理事務所、右手には花屋の「山田屋本店」
写真右:高田早苗の墓。夫人と共に眠る。傍らには市島謙吉題額の碑がある

まずは高田早苗のお墓(㉚1種イ3号23側)をお参りします。初代学長と第3代総長を務めた高田早苗大隈重信と共に早稲田大学の前身である東京専門学校の設立に参加し学校運営の中核を担い、早稲田大学の発展に力を注ぎます。衆議院議員、貴族院議員、文部大臣を歴任。政治家としても活躍しました。早稲田キャンパス2号館には、教職員・大学院学生を利用対象とした高田早苗記念研究図書館がある。

次は平沼淑郎のお墓(1種イ5号4側)。1917年、学長の座を巡って高田早苗派と天野為之派が繰り広げた、いわゆる「早稲田騒動」。騒動後の混乱を収め第3代学長として統率力を発揮しました。

最後に塩沢昌貞のお墓(1種イ6号3側)。初の早稲田大学(東京専門学校)出身者で、第4代学長・第2代総長となりました。

初代学長・高田早苗の知られざる多面的・先駆的活動

平沼淑郎 受難期を支えた「調和の力」 ― 【外部から来た校長・学長】第3回

早稲田出身の学長・総長【第1回】

ワセダベア

塩沢昌貞は語学に堪能であるとともに博識なことで知られ、「大隈さんの知恵袋」と呼ばれるほど、大隈重信から厚い信頼を受けた人物だよ。

塩沢昌貞のお墓から歩いて5分ほどで、⑬「巣鴨地蔵通り商店街」のアーケードが見えます。「おばあちゃんの原宿」のキャッチフレーズで有名となった「巣鴨地蔵通り商店街」は、レトロな雰囲気ながらも活気ある魅力的な商店街です。

巣鴨地蔵通り商店街。とげぬき地蔵尊高岩寺前のアーチ

巣鴨地蔵通り商店街公式イメージキャラクター「すがもん」

入り口には商店街名物⑭「伊勢屋の塩大福。甘みの少ない餡子(あんこ)ともちもちした生地が特徴。少し歩くと右手に⑮「とげぬき地蔵尊高岩寺。病気の治癒改善にご利益があるとされ、高齢者の信仰を集めています。長時間の散歩で足が疲れたら、「洗い観音」の足を洗ってご利益を祈りましょう。趣ある⑯「ときわ食堂でエビフライとビールもいいな…と思いつつ歩きます。全国各地の食品がそろう⑰「近江の館。店内には試食コーナーがあり、元気な定員さんがワイワイ話しかけながらお薦めの商品を出してくれる、いかにも商店街らしいお店。故郷を離れて寂しく感じる学生にお薦めしたいお店です。もう少し先に進むと2022年にできたばかりのタルト屋さん⑱「タルトリーアルベール。庶民的な価格で本場フランスのタルトを楽しめます。

写真左:魚介類は毎日魚河岸から仕入れている、ときわ食堂
写真右:近江(滋賀県)の特産品はもちろん、全国各地の食品がそろう

ワセダベア

巣鴨地蔵通り商店街は4のつく日(4・14・24日)は縁日で屋台が立ち並び、いっそうにぎやかだよ!

一つ一つ手作りのタルトリーアルベール。総菜タルトも

ルートD 東京さくらトラム(都電荒川線)庚申塚停留場~早稲田停留場

お墓参りを終え、お土産いっぱい、おなかいっぱい。ほくほくした気持ちで進むと踏切の向こうには路面電車、東京さくらトラム(都電荒川線)が。

商店街を抜けたところにある庚申塚停留場。早稲田行きの電車が

車内でチンチンと鳴る発車ベル音に郷愁を感じながら、庚申塚停留場から終点の早稲田停留場まで乗車しました。早稲田大学草創期の偉人たちに思いをはせる街歩き、いかがでしたでしょうか? 皆さまもぜひ、授業の後やお休みの日などにお出掛けください!

東京さくらトラム(都電荒川線)の終点、早稲田停留場

文・イラスト:織田博子(2007年、第二文学部卒)

【次回フォーカス予告】10月24日(月)公開「保健センター特集」

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