Waseda Weekly早稲田ウィークリー

コラム

1月10日

毎年1月10日には音羽の護国寺を訪れることにしている。早稲田キャンパスからバスで10分ほど、歩いても30分あれば着く。1時限目の始まる前、きりっと寒い朝に行くのは気分がいいものである。この日は大抵2、3人の早大職員に出くわす。いつも怪訝そうな顔で見られるので名刺交換をする羽目になる。午前中に総長、歴代総長、理事、評議員、商議員といった偉い方々がそろって墓参に来られるのでその準備に当たっているのだ。しかしそれ以外は閑散としていて筆者のような一介の平教員や学生の姿はまず見かけない。寂しいことである。

外相としての対外交渉の手腕、全国行脚での演説の魅力、片足を失う重傷を負いながらもその襲撃犯・来島恒喜を称える剛毅な態度。在野でも首相としても活躍したわが早稲田大学の祖・大隈重信に対して日本中が敬慕の念を抱き、日比谷公園での国民葬には30万人もの人が参列したという。そんな「大隈さんの学校」と呼ばれた学苑の一員たる者にとって、この日は大切な日である。

筆者はかつては、毎年2月3日の雪池忌に「各自墓参されたし」という学内掲示を見て麻布・善福寺に行ったものである。ちょうど学年末試験も終わる時期、「お参りに行けば落第しない」伝説は広く知られているようだ。またちょうど受験シーズンなので合格祈願に来る人も多いという。日付が変わったあたりから人が訪れ、朝から夕方まで長蛇の列が途切れることはない。それに比べて1月の護国寺は本当に静かなものである。大隈の命日にその墓前で、現代における久遠の理想とは何なのか、学生諸君が改めて考える時間を持つのもいいのではないだろうか。

(TS)

第1012回

 

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