『百五十年史』の意義と役割
現在、2032年の創立150周年を期して、『早稲田大学百五十年史』を完成させるべく編纂事業を進めています。
これまで、創立20年、25年、30年、50年、70年、80年、そして100年と、5年から20年の間隔で年史を編んできました。しかし、その後は新たな年史が編まれることなく、今に至っています。50年という異例ともいえる長い間隔を埋める役割が課せられています。100周年以後、とくに大学設置基準の大綱化以後、本学は改革につぐ改革を行い、組織の拡充や再編など、発展を遂げてきました。それらのことがらについて、今のうちに資料を収集・整理し、校史として描く準備をしておかなければ、その事実も意義もあいまいになり、あるいは不明になってしまうおそれがある。そうなってからでは遅いという大きな危機感があります。
1882年の創立以来、本学は各界に多くの卒業生を送り出し、日本の近現代史上に確固たる位置をしめてきました。その意味で本学の歴史は、大学関係者だけでなく、この社会の共有財産であるといっても過言ではありません。
現在、当該編纂事業は「Waseda Vision 150」の核心戦略6「早稲田らしさと誇りの醸成をめざして――早稲田文化の推進」の中に位置づけられています。自校の歴史を正確に記録し、その情報を積極的に発信することは、大学が果たすべき重要な社会的責任の一つであり、期待される「早稲田らしさ」や「誇り」は、そのような営みを通じてこそ醸成されるものといえるでしょう。
新しい大学史を目指して
編纂計画では、まず、3巻構成の本編とWeb上で公開する資料集を編纂することになっています。
第1巻は1882年の東京専門学校開校から1949年の新制早稲田大学の発足の頃までを扱います。第2巻は大学設置基準の大綱化等にともない、改革の波が押し寄せてくる1990年前後までが対象となります。そして、第3巻では150周年までが記述されることになります。Web版の資料集としては既に「早稲田人名データベース」が作成されています。早稲田大学文化資源情報ポータルで公開されていますので、興味のある方は是非のぞいてみてください。
人名データベース: http://www.enpaku.waseda.ac.jp/db/wsdjinmei/
データベースの構築にあたっては、新しい技術を積極的に導入し、検索機能の向上等、資料の利用可能性の拡大をはかっていきます。
更に、百年史部分も含め、エピソードをデータベース化することにより可視化し、ウィキペディアの様に多くの方により新たなデータを蓄積することも検討しています。その他にも、読みやすさを重視した本編の簡易版や写真集、映像集といった関連出版物の刊行も計画されています。Waseda Vision 150にふさわしい新たな大学史として、紙媒体にとどまらず、用途やニーズに応じて多様なメディアを活用することを目指しています。こうして発信される情報の総体が、広い意味での『百五十年史』ということができるでしょう。
大学史を共有財産にするために
昨年度からは事業の成果を積極的に発信するための「早稲田大学大学史セミナー」の企画も始まりました。セミナーの主な対象は本学教職員の皆さんです。6月8日(水)には第二回が開催されます。詳細は改めてお知らせ致しますので、多くの方々のご来場をお待ちしております。
また、『百五十年史』の素材となる資料の調査・収集にも力を入れています。資料の種類は文字資料だけでなく、写真や音声、映像など多岐にわたります。教職員の皆さんが日々の業務で扱っている文書も、活用される可能性がありますので、貴重な歴史資料の調査・収集にご協力をお願いします。
150周年を迎える大学にふさわしく、その先を見すえた『百五十年史』を作り上げるべく、今、努力が続けられています。多くの方々のご協力をお願い致します。
早稲田大学百五十年史編纂委員会事務局(大学史資料センター)
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◆核心戦略6「早稲田らしさと誇りの醸成をめざして-早稲田文化の推進」
http://www.waseda.jp/keiei/vision150/core/06.html
◆早稲田大学百五十年史編纂
http://www.waseda.jp/keiei/vision150/project/M1/04.html
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◆過去のNewsletterについて
以下のURLより過去のNewsletterを確認できます。
http://www.waseda.jp/keiei/vision150/newsletter/archive.html
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◆発信元・問合せ先
Waseda Vision 150事務局(担当:総長室経営企画課)
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